ホンダと日産の経営統合がいよいよ動き出したようだが、クルマ好きが気になるのは将来のパワーユニット。三菱も含め各社が独自のユニットを持っており、どれが生き残るのかは会社の未来を左右する重要問題だ。そんな中で注目されるのが日産のe-POWERの行方。日産自慢のシリーズハイブリッドは、はたして生き残れるのだろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ホンダ、ベストカーWeb編集部
■e-POWERは高速燃費の克服が課題
最初に、ホンダ、日産、三菱が抱えるパワーユニット技術を整理してみると以下のようになる。
ホンダ:e:HEV、BEV、FCEV
日産:e-POWER、BEV
三菱:PHEV
ここには当然いくつかの「重複」があるわけだが、問題はハイブリッド。日産のe-POWERとホンダのe:HEVは、システムがまるで違うとはいえ競合してしまうのだ。パワーユニットの共用化は会社統合の上でも重要事項だろうから、どちらかが開発凍結となることもあり得る。
となると旗色が悪いのはe-POWERだろう。
現行e-POWERは、2020年に登場した3代目ノートで第2世代に移行し、2022年にはセレナやエクストレイルへと展開されて現代にいたる。
しかしエンジンとタイヤが直結できないため高速燃費が伸びないという問題を依然抱えており、その改善(モーターの多段化や高効率エンジンの導入)については道半ばだからだ。
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■e-Pedalの技術は素晴らしい!
いっぽうホンダは勢いづいている。12月中旬には技術取材会を行い、1.5Lと2Lという2種類の次世代2モーターハイブリッドを公開したばかりだ。
このハイブリッドは、エンジンはもちろん制御システムや冷却系などあらゆる点を刷新し、内燃機関のような楽しさと圧倒的な経済性を両立させているといわれるが、そもそもこのタイミングで発表したということ自体、次世代ハイブリッドはこれで行くというホンダの意志の表れとも読める。
まだまだ憶測の域をでないが、上記のような状況を考えると、日産のe-POWERは将来開発が凍結される可能性がある。すでに北米で発売済みの新型キックスのe-POWER化は行われるだろうが、2026年発売が噂される次期エルグランドについては、搭載が怪しくなってきたと言わざるを得ない。
もちろんe-POWERにも特筆すべき点はある。アクセルだけで車速をコントロールできる回生技術「e-Pedal」がそれだ。慣れれば非常に便利な機能だけに、このままなくなるのは惜しい。ホンダや三菱も、この技術は継承に値すると思うのだが、いかがだろうか?
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