クルマに対して求めるものは人それぞれだが、速さや運動性能もそのひとつ。ただ、複数台所有する場合はともかく、1台ですべてをこなす人なら日常での使い勝手も外せない要件だ。ここでは、そんなワガママに応え、なおかつ100万円台で中古車を狙えるクルマたちを厳選して紹介する。

文/木内一行、写真/トヨタ、日産、ホンダ、三菱、CarsWp.com

■斬新なルックスだけじゃなくメカニズムにも注目「日産・ジューク」

グローバル市場をターゲットに開発されたジュークは、大胆なルックスが最大の特徴。大径丸形ヘッドライトとシャープなコンビランプ、大きく張り出したフェンダーなどが見どころで、16GTには写真のスチールブルーMが専用色として用意された

 コンパクトスポーツの俊敏さとSUVの力強さを合わせ持つ、新しいジャンルのクルマとして開発されたジューク。

 コンセプトカー譲りの斬新なデザインが特徴であり一番の魅力だが、デビュー翌年に追加された16GTは走りで存在感をアピールするスポーティグレードだ。

 その核となっているのがエンジンで、1.5リッター自然吸気に代えて1.6リッターターボを搭載。吸排気に備えた可変バルブタイミング機構と小型高効率ターボを組み合わせたこのMR16DDTは、190ps /24.5kg-mを発揮し、高回転まで続くパワーと力強いトルク、優れた燃費性能を実現する。

 駆動方式はFFの他に「ALL MODE 4×4-i」を設定。

 この4WDは、運転操作や走行状態に応じて後輪に最適な駆動力を配分しつつ、後輪左右の自在なトルク配分も可能とした先進の4WDシステム。これにより、ハイパワーをロスなく路面に伝え、意のままのライントレースを可能にしたのだ。

 中古車市場を見てみると、16GT系はジューク全体のなかの約1割しかない。  しかし、4WDはそのなかの80%ほどを占めており、物件数はそれなりにある。また、走行距離や状態にもよるが、下は50万円程度からあるので狙いやすいはず。

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■国産車では数少ないV8搭載の高級スポーティセダン「日産・フーガ(初代)」

 伝統あるセドリック/グロリアの後継として登場したフーガ。

 そう聞けば格調高いフォーマルな雰囲気をイメージするが「高級スポーティセダン」と銘打ってデビューしたこともあり、その走りはサルーン離れした刺激的なものだった。

 そんなフーガのなかでも、特に存在感を放っていたのが初代に設定されていた450GTだ。

  その名が表すように搭載されるのは4.5リッター、しかもV8だ。このVK45DEは4代目シーマや北米仕様のインフィニティ・M45に採用されていたものと同じで、333ps/46.0kg-mを発揮。大排気量マルチシリンダーらしい、ゆとりのフィーリングと怒涛の走りを味わわせてくれる。

  それでいて、外観の相違点はリアのエンブレムと4本出しマフラー程度という、控えめな主張も好印象だ。

  初代フーガ自体、中古車物件数が少なくなっているが、450GTはそのなかの1割未満しかない。しかし、そのフィーリングは何ものにも代え難く、一度味わっておいて損はないはず。

 現代の風潮とは真逆を行くクルマだが、手頃な価格でV8を楽しみたい人にはお薦めだ。

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■怒涛の加速力を味わえる300psのミニバン「ホンダ・エリシオン プレステージ」

その名の通り、エリシオンよりも上級を狙ったプレステージは、新デザインのヘッドライトや大型グリルなどでフロントマスクを一新。より存在感あるデザインとなった。また、エンジンのパワーアップに合わせて足回りもチューニング

 アルファードにしてもエルグランドにしても、決して非力なわけではなかった。

 しかし、エリシオン プレステージの登場で、両者のオーナーは少なからずとも引け目を感じたのではないだろうか。

 2004年にホンダのフラッグシップミニバンとしてデビューしたエリシオン。上級グレードには3リッターV6が搭載され、ミニバンとしては十分な運動性能を備えていた。

 ところが、2006年に追加されたエリシオン プレステージでは、さらに排気量の大きい3.5リッターV6を搭載。これはレジェンドと同じエンジンで、最高出力は大台の300psに到達。

 もちろん当時のミニバン最強のスペックとなり、大柄なボディを感じさせない怒涛の加速力を味わわせてくれたのだ。

 中古車市場では、コンディションにもよるが下は50万円程度からあり、ほぼすべての物件が100万円以下。ただし流通量は少ないので、ボディカラーや走行距離、装備などあまり選り好みする余裕はないだろう。

 とはいえ、迫力のルックスと圧巻のパワーは魅力たっぷりだ。

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■ワゴンなのに激速!? クラウンの異端児「トヨタ・クラウンエステート」

 長い歴史を誇るトヨタの高級サルーン、クラウン。

 約70年にわたって生産・販売され、これまでにさまざまなモデルが輩出されてきたが、11代目ではクラウンらしからぬ激速モデルが用意された。しかも、セダンだけでなくワゴンにも、だ。

 それまでのステーションワゴンから「エステート」に名称を変更した11代目では、ロイヤル系に加えてスポーティグレードのアスリートを設定。

 最強のアスリートVには、2.5リッター直6ターボで280psを発揮する1JZ-GTEが搭載された。このエンジンは、ソアラやスープラ、マークIIに採用されたものと同型で、低回転域から豊かなトルクを発生させ、胸のすく加速とワゴンらしからぬ動力性能を実現。

 加えて、専用チューンの足回りや大径ブレーキ、前後異サイズタイヤなどを装備し、トータルでのパフォーマンスアップが図られたのである。

 こんなクラウンの異端児と言えるエステートだが、中古車市場では高値で推移している。

 特にターボは、下は80万円台からあるが上は200万円超もあるほど、今でも高い人気を誇っている。

 現行クラウンの最後のバリエーションとして追加されるエステートも、延び延びになっているとはいえ、そう遠くない時期に正式発表されるはず。それゆえ、先代エステートも再び脚光を浴びるかもしれない。

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■中身はほぼランエボのクロスオーバーモデル「三菱・エアトレック」

 1990年代後半から2000年代には、数多くのシティ派SUVやクロスオーバーSUVが登場した。

 エアトレックもそのなかの1台で、新しい価値を持つ次世代のクロスオーバーモデルとして2001年に登場した。

 もともと走りには定評があったエアトレックだったが、デビュー翌年にはスポーティバージョンのターボRを追加。

 このターボR、最大の特徴はなんと言ってもエンジン。

 なんと、ランエボに搭載されている4G63ターボをボンネット下に収めてしまったのだ。最高出力こそ240psに抑えられているが、その分低回転域からフラットで扱いやすい特性とし、レスポンスも向上させている。

 駆動方式はビスカスLSD付きセンターデフ方式のフルタイム4WDとし、ミッションはINVECS-IIスポーツモード5ATをドッキング。つまり、見た目はSUVながら中身はランエボVIIGT-Aと大差ないのだ。

 そんなぶっ飛んだターボRは、現在の中古車市場ではレアな存在。物件数は極めて少ないが、相場は50万円から80万円程度とお手頃。ランエボ譲りの走りをSUVで楽しみたい人はぜひ。

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