文/谷田貝 洋暁  

SPICERRシリーズの第2弾は充電式のエアブロワー



2024年にサイン・ハウスの新ブランドSPICERRシリーズの第1弾として登場し、WebikeのECサイト でも大人気となった「ポケッタブル高圧洗浄機SWU-1」。AC電源&水栓不要の充電式高圧洗浄機で、自宅はもちろん出先のコンセントや水道のない状況でも手軽に使えるとあって、バイクユーザーはもちろん、あらゆるアウドドアや掃除に便利と大ヒットし、一時は入荷待ちになるほどの売れ筋商品となった。


SPICERR「ポケッタブルジェットファンSJU-1」は本体に充電コード(Type-C)に加え、形状の違うノズル5つが付属。

 そんなSPICERRシリーズの次弾として登場したのが「ポケッタブルジェットファンSJU-1」だ。まぁ、名前を見ればなんとなく用途の予想はつくと思うが、ポケッタブル高圧洗浄機でバイクを洗ったあとに欲しくなるのは“エアツールのブロワー機能”である。


ノズルは本体に装着している「スタンダード」に加え、平型の「ワイド」、勢い重視の「ショート」や「ロング」、また狭い場所で使いやすい「ナロー」が付属。

 一般的にエアツールというと、圧縮空気で一気にバイクの水滴を吹き飛ばすエアブロワーとかエアダスターなどと呼ばれるコンプレッサー系の機材を想像すると思うが、AC電源(コンセント)はもちろん大きなコンプレッサーが必要だったり、結構大きな音がしたり、一般家庭で使うにはちょっと大仰すぎるところがある。


本体下部には充電用のソケット(Type-C)に加え、4段階表示のバッテリーランプがある。充電時間は約3時間。

 そこで今回の「ポケッタブルジェットファンSJU-1」の登場である。SPICERRシリーズとして当然充電式でAC電源要らず。しかも手のひらに収まるコンパクトサイズで本体重量は306gと携帯電話並みの携行性だ。この小さなボティにも関わらず、取扱説明書によれば風量は「強(70m/s)」、「中(50m/s)」、「弱(25m/s)」で、稼働時間は「強」で10分、「弱」なら100分ほど。

 


「ポケッタブルジェットファンSJU-1」の使い方はとてもシンプル。本体後部の電源ボタンを長押しして起動。インジケーターを見ながら風速を「3つ(強)」、「2つ(中)」、「1つ(弱)」から選んだら、トリガーを押すだけ。

 


風力設定が「強」だとトリガーを押し続けている間だけ風を噴射し、「中」、「弱」では一度押すと風が噴射し、もう一度押すと止まるようになっている。

 気になる「ポケッタブルジェットファンSJU-1」の風力は……、これが意外とすごかった。僕自身はキャンプ使うエアマットや折りたたみカヌーの浮力体を膨らますための充電式エアポンプを普段から使っていることもあり、“まぁブロワーといっても所詮は充電式のモーターファンだし、充電式エアポンプに毛が生えたくらしでしょ?”なんてタカをくくっていたのだが、設定を「強」にすると甲高いモーター音とともに、かなりの風が吹き出てくるじゃない!!

 5種類のノズルを色々試した結果、吹き出し口を絞ったロングが最も風の噴射が強いことが判明。……ただ、風っていくら強くても写真には写らないんだよね。なんて思いながら戯れに庭に敷き詰めた小砂利に「ポケッタブルジェットファンSJU-1」を向けてみると10㎜大の砂利が勢いよく吹き飛んでいくではないか!

 


“ジェットファン”の名前に偽りなし! 「ポケッタブルジェットファンSJU-1」には10㎜大の砂利なら吹き飛ばせる勢いがある。

 


予想以上の水の飛び散り具合にびっくり! ちなみに「ポケッタブルジェットファンSJU-1」は防水ではないので水濡れに注意。

 気を良くして今度はバケツにためた水に「ポケッタブルジェットファンSJU-1」を向けてみると、予想の5倍は水がはねた。……水はねというか、バケツの水がどんどん吹き飛んで目減りしていくくらいの風量&風速がある。ならば! とエアブロワーがあったらやりたかった色々なことを試してみることにした。

 


洗ったばかりのエアフィルターの水分を吹き飛ばすのにもとても便利。

 


車のダッシュボードなど、掃除機では吸いにくいホコリや砂なども「ポケッタブルジェットファンSJU-1」を使えば一発で吹き飛ばせる。

感動したのはキーボードのお手入れ。「ポケッタブルジェットファンSJU-1」を向けると隙間から、ホコリだの、猫毛だの、消しゴムのカスだのが吹き出してくる!
     

「ポケッタブルジェットファンSJU-1」で洗車後のお手入れが劇的に楽になった!!


スクリーンの裏側に入り込んだ水滴の除去に苦労するテネレ700。そのあまりの掃除のしにくさに高さ調節のためのスライド機構を組み込んだくらいだ。

 さて、あまりの楽しさにバイクとは関係ないモノにまで「ポケッタブルジェットファンSJU-1」を試してしまったが、ここからはいよいよ本題。バイクの洗車で「ポケッタブルジェットファンSJU-1」を使ってみることにしよう。

 僕がまず試してみたのはスクリーン周りの水滴の除去だ。テネレ700のスクリーンはラリースタイルでクリアなのはいいのだが、どうにも裏側についた汚れが目立ち、しかも異様に拭きにくい(笑)。手が奥まで入らずウエスを押し込んで無理矢理拭きあげているのだが、それでも細かいパーツの周りには水滴が残ってしまうのが気になっていた。

 「ポケッタブルジェットファンSJU-1」にロングノズルを装着し「強」にして、拭きにくいスクリーンの隙間に風を吹き付けてみれば、……いやはや一発である。

 


こんな感じで隙間に残った水滴が取れないんだよね……。

 


「ポケッタブルジェットファンSJU-1」なら一発だった。

 拭いても拭いても取れない水滴に、わざわざスクリーンを外して拭きあげたこともあったが、そんな面倒なことしなくても「ポケッタブルジェットファンSJU-1」があればスクリーン裏の水滴など秒殺できたのだ。

 それどころかスクリーンだけでなく、スイッチボックスまわりやイグニッション周りなど、隙間の多い箇所の水滴も効果的に弾き飛ばせる。

 


拭いても拭いても水が出てくるスイッチボックス周り。空気の力で吹き飛ばしてしまえば一発解決!

 


エンジン周りの水滴もぱぱっと吹き飛ばせる。空冷エンジンなどは特に便利だろう。

 


イグニッションまわりの拭き取りが面倒な細かい水滴も一瞬で吹き飛ばせる。

 


ヘッドライトなどの隙間の水滴も簡単に。

 「ポケッタブルジェットファンSJU-1」を実際に使ってみた感覚は、本格的なエアコンプレッサーのエアブロワーほどの吐出量や威力はないが、それでも十分隙間に入り込んだ水分を吹き飛ばすことができるという感じ。

 稼働時間に関しては「強」すると約10分とのことなので、実際の洗車ではウエスでざっと拭き上げた後に、拭き取りにくい場所を「ポケッタブルジェットファンSJU-1」で水を飛ばすという使い方が効率的だろう。またバイクにガラスコーティングなどの撥水処理をしておくとより効果的だ。

 本当に、これまでの苦労がなんだったのか? と思うくらい洗車後の吹き上げ作業が楽になる「ポケッタブルジェットファンSJU-1」。しかもバイクの洗車だけでなく、キーボードやエアコンフィルターのお手入れや、焚き火や炭の火起こしにも使えるのだから、一家に一つあっても損はなさそうである。

「ポケッタブル高圧洗浄機SWU-1」と合わせて「ポケッタブルジェットファンSJU-1」をフィールドで使ってみた!


今年大ヒットした「ポケッタブル高圧洗浄機SWU-1」。メーカー希望小売り価格は税込1万2980円。本体、5in1ジェットノズル×1、洗浄タンクキット×1、給水ホース(5m)×1、ホースクリップ×1、USB Type-Cケーブル×1、ペットボトルコネクター×1が付属。

持ち手を引き出して、ノズルとホースを繋ぐだけですぐさま洗車が可能な「ポケッタブル高圧洗浄機SWU-1」。

 今回の用品インプレッションでは、新製品の「ポケッタブルジェットファンSJU-1」と合わせて、大ヒットした「ポケッタブル高圧洗浄機SWU-1」も一緒に借りてみることにした。

 やってみたかったのはオフロード走行後の競技用モデルの洗車。自走できない競技用モデルの場合、トランスポーターで運ぶことになるわけだが、汚れたままの状態で車に入れるのはあまり気が進まないもの。帰りがけの洗車場で再び下ろして洗車して……なんて面倒なことをやっているのだが、ひどいマディ路面を走った後はともかく、ドライコンディションでの軽い汚れたくらいなら、その場で洗ってしまえたらどんなに後片付けが楽かと考えたのだ。

 


僕の場合、トランポ代わりにしているN-VANの屋根に20ℓのポリタンクを常設。「ポケッタブル高圧洗浄機SWU-1」のホースを差し込んで洗車の水源とする。

 


ポリタンのコックに市販のジョイントを取り付ければ、プラグインですぐさま洗車ができるようになる。

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