OBD2 ポートは共通規格で各車両に装備されている故障診断コネクターのこと。ここに専用の機械をつなぐことで車両情報の確認ができ、不具合の出ている場所の特定をすることができる。ディーラーや整備工場で不具合があるときや、車検の時などに確認される。
◆OBD2は何をする部分なのか、何が出来るのかを知る
このOBD2ポートを使ってチューニングをしたり、追加メーターをつけたりすることができる。それがOBD2ポートを使ってのチューニングだ。最も手軽なのは、ここに取り付けるタイプの追加メーター。OBD2ポートには様々な車両情報が来ていて、そこにコネクターを差すことで車両情報を確認することができる。
車種にもよるがエンジン水温、吸気温度、エンジン回転数、速度、電圧、ブースト圧、エンジン油温など様々な情報をモニターに表示することができる。これまで追加メーターといえば、各種センサーを車両側に設置するなどの手間が必要だったが、このポートを使えば簡単にその情報を得ることができる。特に86/BRZの場合はOBD2ポートにエンジン水温だけでなく、油温の情報まで来ているので、簡単なメーターでエンジンの水温と油温まで確認することができる。こういった車両情報の確認だけでなく、コンピューターチューニングなどもできるのがOBD2ポートの凄いところ。
OBD2ポートからのチューニングで、大きな支持を得ているのがHKSの「フラッシュエディター」だ。これはOBD2ポートからエンジンコンピューターのチューニングができるもの。OBD2ポートにつなぐだけでECUのデータを書き換えることができる。内部にはリミッターカットがされているデータと、さらにライトチューンされているECUデータが収められている。市販マフラーなどであればこのライトチューンのデータを流し込むことで、手軽に数馬力から数十馬力のパワーアップが可能になっている。
さらに個々の車に向けて効果を引き出すのであれば、現車合わせも可能。こちらは資格を持った専用店舗での施工となるが、OBD2ポートからのチューニングで、ECUデータをさらに適切に書き換えよりパワーを引き出すことができる。
このフラッシュエディターのメリットは、個人でもライトチューンを施すことができること。またそのデータを自分で簡単にノーマルに戻すことができる。これが大きなメリットになっていて、車両を手放す際にノーマルに戻したり、車検等の時にディーラーに入庫する際は、念のためノーマルに戻しておくなどが、手軽にできる。何度でもノーマルに戻したり、再びチューニングを施したりできる。
◆OBD2を使う事でやれることが多岐に渡る
また、この他にもOBD2ポートに接続することで、車体側の電子制御をカットできる装置などもある。こちらはサーキット走行などの時に車両側のボタンを押しても電子制御がカットされず、コーナリング性能などがスポイルされる部分があるときに装着するもので、電子制御をフルカットできることでスピンなどの挙動も起きるようになるが、その分優れたコーナリングも可能にする。
フラッシュエディターでは、チューニングを施す際にだけ接続するので、問題はないが問題になるのは追加メーターと電子制御キャンセラーなど、同時に取り付けることができないこと。
OBD2ポートは車に1つしか設置されていない。そのため同時に2つのものを装着することができないのだ。そこでOBD2ポートの分割コネクターも販売されている。これを使うことで、同時にメーターと姿勢制御、キャンセラーなどを装着することができるが、実はこの分割コネクターによるトラブルが非常に多い。
そもそもOBD2ポートは相互通信。来ている情報をメーターとして表示するのではなく、メーター側から車両側に信号を送り、その返答として水温やエンジン回転数等の情報が返ってきてそれを表示している。そのためコネクターを分岐すると、2つの機械から車両側に信号が送られて適切な情報が返ってこない場合があるのだ。
これに関しては同時に使っても問題のないメーターとキャンセラーや、問題が起きない分岐コネクターなどもあるようだが、問題が起きてしまう場合もある。どの部品がOKで、どの車両ではNGなどの細かい情報までわかっていないので、正直なところOBD2ポートを分岐して使うのはかなりリスクが高い。そのため、使うのであれば1つになるので何をOBD2ポートに取り付けて使うかをよく吟味してもらいたい。
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