いすゞ自動車とUDトラックスは、5月9日~11日にかけて横浜市のパシフィコ横浜で開催される「ジャパントラックショー2024」に共同で出展すると発表した。

 今回の展示会では、いすゞグループの最新の大型・中型・小型トラックに加え、トラクタ、EVトラックまで勢揃い。注目の展示内容を紹介していこう。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/いすゞグループ・フルロード編集部

いすゞの出展内容

いすゞ自動車とUDトラックスのブースイメージ

 共同展示を行なういすゞ・UDブースでは、顧客の求める「最適」なソリューションを提供するために、「その先の最適を。」というコンセプトを掲げ、いすゞグループの商品やソリューションを展示する。

 いすゞブランドの実車としては、国内大型トラック初の車両総重量25tの低床3軸車「ギガ」、キャブの刷新と先進運転支援機能の大幅拡充等を図った中型「フォワード」、普通免許で運転可能な小型トラックとして発売予定の「エルフmio」、そして昨年エルフのフルモデルチェンジとあわせて投入されたいすゞ初の量産化BEV「エルフEV」が出品される。以下、その詳細を紹介する。

【ギガ・車両総重量25tの低床3軸車】
 いすゞ「ギガ」は、2022年10月にモデルチェンジを実施。6UZ1型エンジンの改良などにより燃費性能を向上させ、新基準となるJH25モード燃費基準に対応し、主力車型で同・燃費基準+5%を達成。さらに先進運転支援機能の拡充や、AMT制御、高機能シートなどの改良などにより快適性も向上した。
 そして2023年9月の年次改良では、先進運転支援機能の改良等に加えて、今回出品される低床3軸車を新たに追加。これまで低床車といえば小径タイヤを採用する4軸車だったが、低床3軸車は前後で異径タイヤを採用することで低床化を図り、高容積・高積載を両立させたのが特徴だ。

いすゞギガの3軸低床車。通常の低床4軸と比べ軽量化(=高積載)を実現する

【フォワード】
 2023年8月末に発売を開始した新型「フォワード」は、先行して発売開始(2023年3月)した新型「エルフ」と共通デザインモチーフを採用しつつも、中型クラスとして差別化を図った力強いフロントフェイスへ変更。キャブ内装も機能性を追求したデザインが与えられ、高機能シートも設定された。
 また、拡充された先進運転支援機能は、新たに追加されたものだけでも「レーンキープアシスト(LKA、車線維持支援機能)」「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」「可変配光型LEDヘッドライト」「ブラインドスポットモニター(BSM)」「ドライバーステータスモニター(DSM)」「標識認識機能」「標識連動型スピードリミッター」と、大型クラス並みの装備となっている。

内外装と変更とともに、先進運転支援機能を拡充させたフォワード

【エルフmio・ディーゼル(参考出品)】
 「エルフmio」は、物流業界の慢性的なドライバー不足に対応するため、車両総重量3.5トン未満の普通自動車免許で運転可能な小型トラック。今回参考出品する1.9リッターの小型ディーゼルエンジン搭載モデルは発売前だが、先行してBEVの「エルフmio EV」が今年1月に発売開始された。

写真はエルフmio・平ボディだが、ジャパントラックショー2024にはバン架装が初のお披露目となる予定

【エルフEV】
 エルフの16年ぶりのフルモデルチェンジにあわせてランナップに追加されたBEVの「エルフEV」。新型エルフは新たに開発したプラットフォーム「I-MACS」が導入されており、同プラットフォームでは、内燃エンジンに加えてBEV・FCEVといった異なるパワートレインでも共有できるように開発。
 これにより内燃エンジンモデルとエルフEVは電動化部品以外の大部分でモジュラー化され、幅広い車型バリエーションを展開するとともに、さまざまな架装にも対応する。

エルフのラインナップに追加されたBEVの「エルフEV」

 このほかにも、テレマティクスサービス「MIMAMORI」「PREISM」のほか、いすゞA&Sのコーナーでは6月1日にモデルチェンジを予定する大型車向けのコンプレッサー式アイドリングストップクーラー「i-Cool mini Ⅱ(アイクール・ミニ2)」等の展示が行なわれる予定だ。

UDトラックの展示内容

 いっぽうUDブランドとしては、今年、大型トラック「クオン」が誕生20周年を迎え、今回はそれを記念して特別仕様のクオンのトラクタとドライウイングが2台が展示される予定。その詳細は以下の通りだ。

【クオン・トラクタ4×2】
 国内トラクタ市場でUDはトップシェアを誇ってきたメーカーで、いすゞグループに入り両者が共同開発の第一弾として登場させたのも、クオン・トラクタをベースに開発したギガ・トラクタ(2023年3月発表)でもある。その高い商品優位性をもたらしてきたのが、クオンに搭載されてきたAMT「ESCOT(エスコット)」だろう。
 今回の展示するトラクタは、その集大成と言える素早く滑らかな自動変速制御を実現できる「ESCOT-Ⅵ」と、さまざまな環境下でステアリング支援を行なってくれる「UDアクティブステアリング」を搭載。また、20周年を記念し、特別エンブレムやイルミネーションランプを装備した「20周年特別パッケージ」仕様となる見込みだ。

変速時の間が少なく滑らかな自動変速制御を実現できる「ESCOT-Ⅵ」を搭載するクオントラクタ

【クオン低床4軸ドライウイング(8Lエンジン搭載車)】
 もう一つの展示車は、小排気量8リッターエンジン「GH8」を搭載したクオン低床4軸ドライウィング。こちらもトラクタと同様「20周年特別パッケージ」仕様として装飾が施された車両となる。
 GH8型は軽量・コンパクトでありながら力強いトルクを発揮し、高積載とパワフルな走りを両立し、トランテックス社のドライウィングとの組み合わせたメーカー完成車では、庫内高2705mmと高い荷室容積を実現している。
 また今回の展示車はフルキャブ仕様であるが、コンパクトなGH8型とショートキャブを組み合わせた完成車では、荷台内法長10.02mを確保し、T11パレットで2枚分多く(最大18枚)積載を可能にした。

軽量・コンパクトなGH8型エンジンを設定するクオン。同エンジン搭載車には高積載型も展開され、ドライウイング完成車(8×4)で最大積載量14700kgと国内最大級の積載量を誇る

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。