ZFは10日、革新的な車体制御システム「sMOTION」の量産を開始したと発表した。この新システムは、車両の安定性と動的性能を高次元で両立させ、乗り心地と走行性能を大幅に向上させる画期的な技術だ。

sMOTIONは、従来のサスペンション技術では困難だった動的性能と快適性の両立を実現している。このシステムは、走行状況に応じて減衰力を正確に調整するだけでなく、各車輪を個別に素早く上下動させることで、路面追従性を最適化し、より快適な運転体験を提供する。

ドイツの高級車メーカー2モデルに採用されており、ポルシェの『パナメーラ』と『タイカン』に搭載されている「アクティブライド」エアサスペンションにsMOTIONのダンパーとバルブ技術が使用されている。

sMOTIONは、ZFの適応型ダンピングシステムCDC(Continuous Damping Control)をベースに開発された。2つの外部バルブを使用して、ダンパーの圧縮と伸張を独立して制御し、走行状況に応じて最適な減衰圧を実現する。さらに、高性能オイルポンプを使用して車輪サスペンションをアクティブに動かすことで、路面の凹凸の影響を中和し、コーナリング時の車体の傾きを補正または相殺することができる。

ZFの車体制御システム「sMOTION」

このシステムは特に動的な走行時に威力を発揮する。急なステアリング操作時に通常の車両では左に「傾く」ところを、sMOTIONを搭載した車両は自動的にコーナリング時の傾きを速度に合わせて調整し、「ヘリコプターモード」を生成する。これにより、車両の走行挙動が軽快になる。

例えば、sMOTIONを搭載した車両は、0.5秒以内に8cm車高を上げることができる。これにより、ZFが開発した制御電子機器は、3トンの乗用車を1Gのコーナリング力まで、ほぼ水平に保つことができる。

また、このホイール別のアクティブボディコントロールは、乗り物酔いの原因となる車体の垂直方向の動きを防ぐことができるため、快適性の面でも大きな可能性を秘めている。

ZFは、セミアクティブおよびアクティブダンピングシステムの分野でトップクラスの技術サプライヤーとして知られている。初代CDCシステムが市場に登場してから25年が経過し、sMOTIONは最新世代のCDC技術を採用している。

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