うおおお意外と早かった! 本国ドイツで今夏に発表されたBMW新型X3が日本でもデビューしたのだ。最近のBWMの流儀である削り出したような塊感は健在で価格は798万円から。早くも納車が始まるというが、各社のDセグメントSUVってもうちょっと安くなるといいのになあ……。
文:ベストカーWeb編集部/写真:BMW
■先代に比べて50mm長く、30mmワイドになった
BMWのSUVラインナップの主戦力ともいえるX3が4代目へと進化した。3代目の登場が2017年だったから7年ぶりのフルモデルチェンジ。型式名はG45を名乗る。
まずはエクステリア。2023年に誕生した8代目5シリーズをきっかけに、BMWはデザイン言語が大きく変えてきた。ひと言でいうと「引き算の美学」。無駄な面変化やキャラクターラインをそぎ落とし、岩から削り出したようなシンプルなソリッド感を特長とする。
新型X3も同様だが、パッと見の印象では、フロントの巨大なキドニーグリルに斜めのパターンが入ったのが新鮮。ボディ側面ではSUVのお約束ともいえる樹脂製オーバーフェンダーを廃し、あえてシンプルなサイドビューが演出されている。キドニーグリルのフレームにはLEDが内蔵されており、夜間は白く浮かび上がる。
ボディサイズは全長4755mm、全幅1920mm、全高1660mm(X3 20xDrive xLine)。先代と比べると全長で50mm、全幅で30mmほど拡大している(先代xDrive 20dとの比較)。
ちなみにBMWは電動化戦略を進めるにあたり、これまで内燃機関モデルとBEVモデルで同じボディを使う手法をとってきた。
ところがこのX3は異なる。今回用意されるのは48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた内燃機関モデルのみで、いわゆる「iX3」は登場しない。BMWはすでにBEV専用となる「ノイエクラッセプラットフォーム」を発表しており、次期iX3はその新しいプラットフォームを使った別モデルとして登場するのだ。
■日本では3つのグレードを設定。PHEVは未導入
インテリアはどうか。メーターパネルとコントロールディスプレイを一体化させた湾曲モニターが居座るダッシュボードは近年のBMWの流儀通り。シフトレバーは廃止され、センターアームレストに操作系をすべて収めることで、スイッチ類の少ないモダンな車内が実現されている。
アンビエントライトはもちろん標準装備。コックピット回りだけでなく、ドアパネルも照らし出し、ナイトドライブをロマンチックに演出してくれる。スマホのワイヤレス充電にも対応済みだ。
ADAS系では、BMWが先鞭をつけたハンズオフ渋滞支援運転機能のほか、一通りの最新機能が備わることはいうまでもない。この他車外からスマホで車両コントロールできる自動駐車機能や、直前の200mを前進した通りにバックしてくれるリバース・アシスト・プロフェッショナルなども搭載可能だ。
日本でのラインナップだが、140kW/310Nmの2Lガソリンエンジンを積む「20 xDrive xLine」、145kW/400Nmの2Lディーゼルを積む「20d xDrive M Sport」、280kW/540Nmの3L直6ガソリンを積む「M50 xDrive」という3種類となり、前述の通りすべてが48Vマイルドハイブリッドとなる。本国に用意されるプラグイン・ハイブリッドモデルは、現時点では日本未導入だ。
価格だが、「20 xDrive xLine」が798万円、「20d xDrive M Sport」が858万円、「M50 xDrive」が998万円という構成。かつては500万円台から購入可能だったX3だが、モデルチェンジとともに高級化が進み、庶民からはやや縁遠い存在となってしまった点は残念なところ。
「そんな方にはX2、X1を」という声も聞こえてくるが、縦置きFRレイアウトを採用するX3の魅力は捨てがたい。せめて600万円台のモデルがあると嬉しいのだが、知能化や電動化が進む昨今、これは無理というものか。トホホ……。
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