いまだ宝石のような輝きを放つネオクラモデル。手に入れたい人は「北米のクルマ好き」とも争奪戦を繰り広げなければならない。アメリカの25年ルールと、発売から25年を迎える日本の名車をおさらい。アメリカよ、あまりこっちを見ないでくれ!!

※本稿は2024年4月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年5月10日号

■そもそも「25年ルール」とは何か!?

写真のA80系スープラをはじめ、一般人では手が出ない価格にまで高騰したモデルも。正直いい迷惑である

 さてまずは、そもそも“25年ルール”とは何なのか、あまり詳しくない方に解説をしておきたい。

 アメリカ(北米)では、原則として右ハンドルのクルマの通行は認められていない。

 しかし、初度登録から25年以上経過したクルマであれば、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が右ハンドル車の輸入・走行を認め、関税や排ガス規制までも対象外とするクラシックカー登録制度がある。これが「25年ルール」と言われている。

 この「25年ルール」が注目されるようになったのは、2016年にアメリカのRMオークションで、1989年式の日産スカイラインGT-R(R32)が、8万2500ドル(当時の相場1ドル=122円換算で1006万5000円)で落札されたというニュースが流れた時からだった。

 このR32GT-Rのように、北米に輸出されていなかった国産スポーツが、25年を過ぎるとどんどん値上がりする流れになった。スープラやRX-7といったモデルの価格高騰も、このルールが影響している。

■25年ルールだけじゃなく“15年ルール”もあった!?

日本の中古車=良質廉価というイメージは多くの国で共通認識となっている

 北米の25年ルールに似ているが、カナダでは新車登録から15年を経過したクルマはクラシックカー扱いとなり、排気ガス検査や関税は必要なく、右ハンドルのまま輸入できるようになる“15年ルール”がある。

 左側通行のカナダでは、左ハンドルでなければ公道を走行することができないが、クラシックカーについては許されている。北米ほどではないが、カナダでも日本車が人気だ。

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