ホンダは11月13日、世界で初めて車いすレーサー用の「漕ぎ力計測機器」を開発したと発表した。この革新的な機器は、11月17日に開催される第43回大分国際車いすマラソンで初めて公開される予定だ。

この計測機器は、車いすレーサーのホイールに装着して走行することで、選手の漕ぐ力を多角的に測定する。具体的には、力のかかり方の左右差、加速・減速要素、最高速度の出るタイミングなど、走行に影響を与えるあらゆる情報を数値化する。これにより、これまで感覚的に捉えがちだったアスリートのフォームの特徴を客観的なデータとして分析することが可能になる。

ホンダは2000年から陸上競技用車いすレーサーの研究開発を行ってきた。今回の「漕ぎ力計測機器」の開発には、同社が長年培ってきた二足歩行ロボット「ASIMO」や歩行アシストなどのロボティクス研究で培った6軸力センサーによる力の検知技術が活用されている。

ホンダの「漕ぎ力計測機器」ホイール装着時

この機器は既に、イリノイ大学(米国)や国立スポーツ科学センターをはじめとする日本の複数のスポーツ団体および選手の協力のもと、30名を超えるアスリートの計測に活用され、高い評価を得ているという。

ホンダは今後、世界中の車いすアスリートをサポートする団体や学校などへ機器の貸出を行い、車いす陸上競技のさらなる発展に寄与していく。

同社は「スポーツ活動を通じて挑戦する人々を増やし、あらゆる人の人生を豊かにする」というビジョンのもと、夢の実現に向けてチャレンジするアスリートを今後も応援していく。

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