1977年に初代モデルが登場して以降、軽スペシャルティークーペとして多くのファンのハートをつかみ続けたきたセルボ。1998年に一旦姿を消すが、8年後に突然の復活を遂げることになる。知られざる復活の理由を、解き明かしていこうではないか!

文:小鮒康一/写真:スズキ、ベストカーWeb編集部

■一世を風靡した軽スペシャリティのパイオニア

4代目のセルボモードはクラス初のDOHCエンジンを搭載したことで話題に

 スズキのスペシャリティー軽自動車として一時代を築いたセルボ。初代モデルは1977年に登場し、それまで360ccエンジンを搭載していたフロンテクーペをベースに、新規格となる550ccのエンジンや大型バンパーなどを装着して登場した。

 その後、スペシャリティークーペの需要が縮小すると、4代目ではセルボモードに車名を変更。オーソドックスな3ドア/5ドアハッチバックのボディとしながらも、上級指向な内外装やスズキの軽自動車としては唯一となる4気筒エンジン搭載グレードを用意するなど、新たな価値を創造したのも特徴的だった。

 そんなセルボモードも、1998年10月に軽自動車規格が再度変更されるタイミングで終売。軽自動車のトレンドもワゴンRに代表されるスペース効率に優れたトールワゴンが人気の中心となったことで、後継車種も登場しなかった。だが8年後の2006年、突如セルボは復活を遂げたのだった。

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■当時の「最新」がテンコ盛りだった優等生

スポーティながらも上質さが際立っており、装備の充実感も文句なし!!!

 5代目となるセルボは、それまでと同じくアルト系のコンポーネンツを流用しつつ、ワンモーションフォルムを持った上級5ドアハッチバックというキャラクターを持っていた。これは、ワンモーションフォルムを持って2001年に登場したMRワゴンの後継モデルとして開発された点が大きく影響している。

 実際のところ、2代目MRワゴンは「ママワゴン」がコンセプトの女性や子どもが使用することを重視したモデルとなっていた。一方のセルボはその男性版として開発され、その時につけられていたコードネームがセルボであったことから、8年振りにセルボの名前が復活したと言われている。

 そのため、デザインはMRワゴンが柔和なのに対して、セルボはシャープな印象。また当時では珍しく、一部のグレードではBluetoothを用いた携帯電話のハンズフリー通話機能を標準で備えていた。さらに、日本初の組み合わせとなる直噴ターボエンジン+CVTというパワートレインを設定したりと、非常にチャレンジングなモデルとなっていたのである。

 残念ながら5代目セルボ自体は大ヒットモデルにはならなかったが、その上質な仕立てや走りの質感の高さは一定の評価を集めたことは間違いない。軽自動車に新たな付加価値を与える重要さを改めて感じさせるきっかけとなった点は、再評価されてもいいいかもしれない。

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