ベストカーの姉妹メディア「おとなの週末」2024年6月号で、「町パンBEST5」を作成したスタッフたち。スタッフ総出で実食した結果のランキングですが、その差はごくわずか。ランキングからは惜しくも漏れてしまいましたが、スタッフ各自に思い入れがあり、みなさんにもぜひ味わってほしいパンを焼くお店をご紹介します。

撮影/鵜澤昭彦(ミサキベーカリー、イトウベーカリー)、西崎進也(LISZT、Honey)、取材/編集部(ミサキベーカリー)、市村幸妙(LISZT)、井島加恵(Honey)、藤沢緑彩(イトウベーカリー)

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■すべて美味 でも コロッケ カレーは格別の旨さ/編集・武内イチオシ店『ミサキベーカリー』@北千住

『ミサキベーカリー』コロッケパン 216円 自家製のコロッケはホクホクで味が濃い

 挽き肉をたっぷり加えた自家製コロッケはホクホク&肉肉しい味わい。そこにパンの甘み、ソースの酸味も絡まる「コロッケパン」はボリュームがあるにも関わらず1個、2個とつい手が伸びてしまう。

 またカレーパンのカレーも自家製で、こちらも挽き肉がたっぷり。香り高く程よくスパイシーで、ピーマンの苦みも心地よいアクセント。もっちりした揚げパンと相まって、こちらも1個だけでは収まらないおいしさだ。これらを毎日仕込み、毎朝揚げてくれてありがとうございます!

 この2種でも十分なのに、甘いパンもあんぱん、クリームパン、デニッシュなどと種類に富み、香ばしく、甘く、ひと口頬張るほどに笑顔になる。

 「毎日食べるものだから飽きられない味を」と店主・三崎さんは言うが、どれも飽きるどころかクセになるおいしさ。朝6時の開店を待って、朝食に昼食用にとパンを買い求める客が途切れないのも納得。なぜランキング漏れ!?なのでこちらで激推しさせてください。

『ミサキベーカリー』

[住所]東京都足立区千住寿町20-4
[電話]03-3888-3757
[営業時間]6時〜20時 ※売り切れ次第終了
[休日]日・祝
[交通]JR常磐線ほか北千住駅西口から徒歩10分

■創意工夫と柔軟性が楽しい ひと捻りあるパンが並ぶ/ライター・市村イチオシ店『手作り焼き立てパンの店 LISZT(リスト)』@瑞江

『手作り焼き立てパンの店 LISZT(リスト)』(左奥)たまごサンド 340円、(右奥)チキンタツタ 350円、(左手前)クリーミートマトチキン 250円、(右手前)マヨたく 195円 たくあんの甘みとマヨネーズの酸味がいい「マヨたく」。チキンとチーズがたっぷり入った「クリーミートマトチキン」。フィリングの味付けは塩・黒胡椒、マヨネーズとシンプルだからこそ素材の良さがわかる「たまごサンド」。周りをサクッと揚げたジューシーな鶏ムネ肉とワサビマヨが技ありの「チキンタツタ」

 「日によって変化があるからパン作りは楽しい」と笑う店主・谷川さん。このお店を私が好きな理由は店主の柔軟性とチャレンジ精神、そして創造力だ。例えば札幌で愛されている「ちくわぱん」(210円)、そして滋賀名物の「サラダパン」は、ストレートに「マヨたく」として出すなど、気になったらそのパンを作ってみる。

 昭和世代には懐かしい「あんこ玉」(120円)の見た目は、まさに駄菓子のアレ。6月頃から始まり、夏の名物になりつつある「ラムネあんぱん」(200円)など、遊び心を伴ったパンも揃う。

 それでいて、近隣の保育園給食に採用されている安心感やグルメ系ハンバーガー店の特注バンズに使われるなど、プロからの信頼もちゃんと得ている。

 中でも感動したのは毎日8時と14時頃に焼きあがる食パン。加水率は75 〜80%と高くてしっとり。ひと口いただけばふかふかで、それだけで幸せな気持ちになれる。それで作ったサンドイッチはそりゃ旨いに決まってる。

『手作り焼き立てパンの店 LISZT(リスト)』

[住所]東京都江戸川区瑞江2-13-8
[電話]03-5664-2048
[営業時間]8時〜19時 ※売り切れ次第終了
[休日]日
[交通]都営新宿線瑞江駅北口から徒歩2分

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■溢れる好奇心が生み出すサンドイッチは必食!/ライター・井島イチオシ店『Honey』@荻窪

『Honey』(左上から時計回りに)チョコチップメロンパン 302円、カスタードクリームパン 302円、世界一おいしい!?野菜たっぷりたまごサンド 605円、カマンベール・ゴルゴンゾーラ・マスカルポーネのはちみつピザ 378円、クイニーアマン 324円 クリームパンのクリームは卵黄たっぷりでケーキ屋に負けない濃厚さを目指したとか。「クイニーアマン」のザクザク感もやみつき

 具材の組み合わせに技を感じるサンドイッチ目当てのお客さんが多く、かくいう私もそのひとり。

 一番人気の「世界一おいしい!?野菜たっぷりたまごサンド」は、ゆで卵や野菜がたっぷり挟まれているが、ハーブやアンチョビを合わせたマヨネーズの旨みが食欲を刺激してボリュームを感じさせない。その日に焼いたものを使っているという食パンもしっとりふわふわで、具材との一体感が最高なのだ。

 チョコチップメロンパン 302円、カスタードクリームパン 302円、世界一おいしい!?野菜たっぷりたまごサンド 605円、カマンベール・ゴルゴンゾーラ・マスカルポーネのはちみつピザ 378円、クイニーアマン 324円

 「モノづくりが好きで、自分なりのレシピを考えるのが楽しい!」とは、店主の津村さん。溢れる創作意欲がひしひし伝わってきて、前職はアパレル会社のデザイナーと聞き合点がいった。

 趣味の焼菓子作りが高じて2005年にあんぱんと焼菓子の店でスタート。想像以上にあんぱんが好評でパン作りが楽しくなって種類が増え、津村さんが大好きだったサンドイッチも凝り始めたら止まらなくなったという。

 グリルしたナスのコクが食欲をそそる「B.L.T.N」や海外で食べた味をアレンジしたバインミーもぜひお試しを!

『Honey』

[住所]東京都杉並区荻窪5-29-8 荻窪弐番館1階
[電話]03-5397-8611
[営業時間]9時~19時半
[休日]無休
[交通]JR中央線ほか荻窪駅南口bから徒歩1分

パンへの真摯さが生み出す老舗の味に大注目!/ライター・藤沢イチオシ店『イトウベーカリー』@早稲田

 学生時代、何度通っただろう。木のショーケースに所狭しと並ぶパンは何食べたって大正解。中でもお気に入りが「コロッケパン」。注文してからコロッケを挟んでくれるタイプだから衣がさっくさく、歯切れ良いパンの甘み、じゃがいものホクホク感、それらを引き立てるソースが絶妙なのだ!

『イトウベーカリー』左から時計回りに、カレーパン260円、ミルクフランス220円、パン・オ・ショコラ310円、コロッケパン200円 ヘーゼルナッツチョコの「パン・オ・ショコラ」は生地がザックリ歯切れ良く、リッチなのに軽い私的ベスト・パン・オ・ショコラ。「カレーパン」のルウには野菜と果物、コラーゲンスープの旨みが詰まっている。「ミルクフランス」は2種のバターで作るミルクペーストがなめらか&程よい甘さ

味の風格からしてさぞ歴史があるのだろう、と思ったらオープンは2018年。赤坂の老舗『長野ベーカリー』に勤めていた店主が、閉店を機に独立を果たした。

 パンは名物コロッケパンなど『長野ベーカリー』の味を引き継ぎつつ磨きをかけた。例えば、コロッケパンの生地は時間が経ってもしっとり感が保たれるように改良を重ね、ソースは全体のバランスを考え程よい酸味のものを合わせた。

 試行錯誤の歴史はコロッケパンだけじゃない。「思い入れがないパンはない」と店主が言うほど。一番苦労したという「カレーパン」は、じゃがいもを練り込んだ生地の食感がなんとも軽やか。こちらも必食だ。

『イトウベーカリー』

[住所]東京都新宿区西早稲田1-10-7
[電話]03-6265-9018
[営業時間]7時〜18時 ※土:〜17時、日:8時〜17時 ※売り切れ次第終了
[休日]月・不定
[交通]地下鉄東西線早稲田駅から徒歩9分

『おとなの週末』/2024年6月号より
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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