ほとんどのクルマが5年から10年のスパンでフルモデルチェンジ、もしくは生産終了のアナウンスがされるなかで、10年以上販売が続けられ、かつ人気をキープしているクルマがある。今回紹介する三菱デリカD:5は、まさに長寿モデルの代表作である。
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■超ロングライフモデルだけど販売面では絶好調!!
三菱が誇るオールラウンダーミニバンとして高い人気を誇っているデリカD:5。いまだに安定した人気を得ている同車だが、現行モデルが登場したのは2007年1月のことなので、すでに17年が経過。まもなく18年目に突入しようとしているのだ。
商用車やショーファードリブンなど、用途が限られている車種であればロングモデルライフになることも珍しくない。だが、ファミリーカーとして供されることの多いミニバンタイプの車種としては異例と言える。果たして、デリカD:5はなぜ売れ続けているのだろうか? その理由を考察してみた。
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■ミニバン×オフローダ×ディーゼルという唯一無二のキャラクター
デリカD:5が売れ続けている理由……それは単なる3列シートミニバンではないということに尽きるだろう。単なる3列シートミニバンであれば他のメーカーからも選択肢が豊富で、直近でフルモデルチェンジを実施したものも少なくない。最新モデルが必要であれば、デリカD:5を選ぶ理由は少ない。
一方でデリカD:5はオールラウンダーミニバンを基本理念に開発。パジェロ譲りの悪路走破性を誇るという点が、他メーカーのミニバンとは一線を画している。
現行型は電子制御式の4WDを採用。機械式のトランスファーを持つ過去のモデルと比べれると走破性は低下したという声もあるが、クロスオーバーSUVにも引けを取らないタフな走りが可能であることは魅力的なポイントだ。
さらに、他メーカーのミニバンはガソリンかハイブリッドモデルが定番だが、デリカD:5は107kW/380N・mの出力を誇る2.2Lクリーンディーゼルターボエンジンを搭載。パワフルな乗り味を楽しむことができるのも、唯一無二の特徴となっている。
ディーゼルエンジンはトルクフルな走りに加え、燃料コストの安くお財布にも優しい。有事の際にはガソリンよりも入手しやすく、万が一のときでも心強い味方なのが、オールラウンダーミニバンたる所以と言えるだろう。
実際にデリカD:5のユーザーで過酷な使用状況や有事の際のことを考えている層は少ないかもしれないが、いざ困った際にバラエティー豊かな性能を有しているかどうかというのは、購入する時の付加価値となることは間違いない。以上が登場から17年が経過した今でも、他のミニバンにはないモデルとして多くのユーザーから評価されている理由なのだろう。
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