ウインターシーズンに愛車での日常移動はもちろん、温泉、アウトドアアクティビティなどの旅行を計画すると天気予報が楽しみでもあるけれど、一方で不安でもあるものではないか。

昨シーズンは東北地方でも暖冬傾向で雪が少なかったようだけれど、それでも各地から時折届く雪だよりや交通障害にやはり愛車の足元は冬道に備えておかねばと思うだろう。最近は“備える”という意味ではオールシーズンタイヤを選ぶという選択もある。

でもちょっと待って…。タイヤ選びを考えたときに郊外はもちろん近隣の街中や住宅街において除雪はしたものの凍結路面が部分的に残る、または朝晩は凍結が心配というような路面環境が予想できるような方にとっては、凍った路面をより意識した冬用タイヤ=スタッドレスタイヤを積極的に“選ぶ”という選択を提案したい。

高品質と信頼性を兼ね備えたネクセンタイヤ、スタッドレスタイヤのスマートな選択

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

そんなタイヤ選びをする際の選択肢に「NEXEN TIRE(ネクセンタイヤ)」の『WINGARD ice2』を加えてみてはどうか。筆者は同社のエコ&プレミアム系スポーツタイヤやオールシーズンタイヤの試走をした経験がある。その印象は標準タイヤとしての実力は十二分。それを踏まえた価格面でも毎日履くシューズ(タイヤ)としてスマートな選択ができる新たなブランドが登場したと言える。今回、同社の最新のスタッドレスタイヤで過酷なコンディションを試走してその印象がますます強くなったのだ。

ネクセンタイヤは韓国発のグローバルタイヤメーカーとしてすでに世界中のカーメーカー(VWやポルシェ、BMW、ルノー、フィアット、三菱)の新車装着タイヤを供給している。「ネクセンタイヤ」の社名に変更をしたのは2000年ではあるものの、その前身はミシュランタイヤの製造メーカーとしてタイヤ作りを学んだ80年以上の歴史があるタイヤメーカーだ。

すでに欧州では自動車雑誌や機関が行うタイヤテストで高い評価を得ており、ゆえに欧州メーカーを中心に新車装着タイヤとして開発力、性能、信頼性が認められているのもわかるというものではないか。市販タイヤ市場でもこれまで培った高品質な製造技術、さらに元来のポテンシャルに加え、自動車メーカー各社の要望に応えるタイヤ開発で磨かれるノウハウを注ぎ込みユーザー満足度の高い製品を登場させている。

各種路面で的確なグリップを発揮する、3つの特徴をおさらい

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

「WINGARD ice2」はネクセンタイヤのスタッドレスタイヤの第二世代モデルとなる。まずは新たに採用された3つの技術の特徴をご紹介しておこう。

1つは「よりソフトなコンパウンド」。低温でも柔軟さを保ち、一方で冬の乾燥路面やウェット路面でタイヤの温度が上昇してもゴムの剛性を保つ特性を持ち合わせながら、特に氷雪路でのブレーキ性能を向上させた。

2つ目は「3Dサイプ」。タイヤを路面と接地する面を正面から見ると全体に細かなギザギザの切り込み(=サイプ)が入っているのはスタッドレスタイヤではお馴染み。雪や氷の路面で安定したグリップを保つのに効果的なギザギザを奥まで開いて覗くと、3Dの複雑な構造になっているのが第二世代の特徴。おかげで様々な角度で路面と接するゴムが変形しても内部で互いに嚙み合って支えあい、接地面がヨレにくく路面を捉えるという性能が向上している。

3つ目は「左右非対称パターン」。タイヤの左右、内側は雪道でのトラクション(駆動力)をしっかりと路面に伝える性能は重要で、外側はご覧の通り大きなブロックを採用し、コーナーリング性能やグリップ力が向上している。

実はこれらの新技術は他ブランドでも採用されている技術ではある。しかしこれらをどう活かし、ネクセンタイヤが目指す氷、雪、舗装路(ドライ/ウェット)の「効く、止まる、曲がる」を実現させているかが注目なのだ。

ドライ~ウェット~スノー路面まで一気に体感した結果に注目

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

今回、都内から群馬県は水上エリアを目指した当日の天候はお昼ごろから雪予報。我々は、刻々と変化する冬道で同社の「WINGUARD ice2」を装着したトヨタ『シエンタ』(2WD)でリアルワールドでの走行体験ができたのだった。

都内で一般道の走行確認をしてから首都高速、そして関越自動車道で水上ICを目指した。埼玉を過ぎるあたりまでは完全なドライ路面。ここまでの走行で得られた好ポイントがドライ路面の安心感と快適さだ。

お世辞抜きで乗り心地が良く静粛性も高い。ハンドルを握る手元やシートを介しタイヤの骨格をマイルドに、しかしちゃんと感じられ、タイヤの転がり具合からは軽快さも伝わる小気味良さ。さらに交差点や高速道路の車線変更などでは、ステアリングの操舵フィールにしっとりとした質感と確かさを抱くことができた。

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

高速道路では横風も気になり始め、背の高いコンパクトミニバンは横風を受けやすくハンドルを握る手にも力を入れたくなる。ところが、WINGARD ice2は直進性に不安を抱くようなこともなく肩の力を抜いて高速ドライブを続けることができた。これならウインターシーズンの運転も舗装路が中心という方にとってサマータイヤに近い安心感と快適さで日常づかいができそうだ。

車内モニターのVICS情報も高速道路上の注意表示もこの先の天候が雪であること、さらにノーマルタイヤでの通行禁止の警告表示が次々にやってくる。心の準備はできているつもりだ。

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

途中から少しずつ雪が降り始め、やがて路肩が白く走行路面も車が走行している部分だけが濡れた濃いグレー(低温路面のセミウエット路)に変化してきた。雪が解けたセミウエット路面は通常のちょっと濡れた路面より走行に気を遣うも、タイヤの信頼性や快適性に変化はなかった。

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

しかし明らかなウェットコンディションからやがてシャーベット路面へと変化し、前走車から水しぶきが上がるようなコンディションに変わっていくと、ハンドルの手ごたえやアクセルを加減する際の足元の足ごたえにも変化が感じられるようになってきた。それでも直進走行=排水性能に不安はない。さらに車線も認識できぬほどのベシャベシャなシャーベット路に変わると、その質量感がステアリングフィールに重さとして感じられるようになり車線変更の際はスライムのように変化する路面に足元を取られぬよう慎重になった。このような体験は初めてだったけれど、WINGARD ice2の刻々と変化するウェット路面への対応ぶり、それにドライバーに状況を伝える“インフォメーション性能”も十分に持ち合わせる頼もしさがあることが安心感とともにわかった。

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

関越道を水上ICで降りると、主要路線は路面から水が噴き出し凍結や積雪を防ぐ対策が施されていた。降雪地ならではのウエットコンディションながら、あの重たいシャーベットと比べればまったく気負わずに運転ができる。正直、ホッとした。

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

ところがホテルはまだ先の奥まった場所にポツンとあり、途中から新雪が積もる路面を走行せざるを得なくなったのだ。雪路を踏む足元の感触が頼もしく増し、加速、減速はもちろん、コーナリング性能では少々意地悪なライン取りを試してみたが持ちこたえてくれた。

舗装路でも感じたタイヤの骨格、そこに掌で路面を触るような柔軟な接地面の感覚が路面状態をわかりやすく伝えてくれる。トラクションコントロールや横滑り防止装置が作動するような場面でも制御が働いてからタイヤの性能がリカバーする状態もわかりやすい。車種にもよるのかもしれないが、電子デバイスとの相性も良さそうだった。

登坂路で一旦停止をしてから再発進も試みた。フロントタイヤがわずかに滑りながらススーっと走行できた。勾配が気になるほどの下り坂、ただでさえ緊張しそうなコーナーの手前の手前でシットリと雪路を踏みしめ減速してくれる。その結果、より安定感のあるコーナリングに繋がるのだ。

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

翌朝出発の準備をして周りを見渡すと、宿泊先の積雪量は20センチはあっただろうか。駐車場でホイールの一部が埋まるほどの雪をかぶったシエンタだったが、涼しげな様子で積もった雪を踏みつけて脱出してくれた。WINGARD ice2のおかげなのに「ふふふっ」と自分の手柄のようにニンマリしてしまった。

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

その後に向かった山岳路では、除雪後によって薄く圧雪された路面やそれが凍った路面。また日当たりが悪く慢性的かつ部分的に凍結して露出している路面を走行する場面もあった。滑りやすさが不均一なリアルワールドの凍結路でも狙ったラインから外れることのない性能が保たれ、表面が不均一な凸凹の路面での制動もしっかり減速や停止をする。柔軟なサイプが路面を捉える包容力とソフトなコンパウンドのおかげなのだろう。

水上の山を下りてしばらく走っていくと、路面は乾き、またWINGARD ice2はやっぱり快適だ。国内で主力カテゴリーであるコンパクトミニバンとの相性の良さにますますこのタイヤを身近な頼れる存在として認識できた。

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

ではこのようにスマート(堅実/賢明)なWINGARD ice2は何が他社と違うのか。1つは圧倒的と言えるほどアイス路面に特化したスタッドレスタイヤではないということ。これはネクセンタイヤも認識している。でも「効く、止まる、曲がる」をコンセプトとしタイヤ開発を行い、その性能を確かに併せ持っているのは間違いない。

また欧州のアウトバーンのような高速走行やそのような場所でのウェット性能を持ち合わせていない。なのでWINGARD ice2は欧州の特定エリアでは販売されていない。あくまでスタッドレスタイヤを販売する国やエリアに必要な性能を重視して開発が行われている。ネクセンタイヤの適材適所ぶりがこのスマートなタイヤ開発に繋がっていると言えるだろう。そしてその性能を十分に持ち合わせていることを今回体験できた。

ネクセンタイヤ WINGARD ice2

スタッドレスタイヤを用意したいけれどどこまでこだわればよいか悩ましい。しかし日本の冬道性能を確かに保つタイヤを選びたい。今年の冬道をしっかりと踏みしめ、安心感とともに楽しませてくれる最適なシューズに、ネクセンタイヤ「WINGARD ice2」という選択肢も入れてみてはどうだろうか。

『WINGUARD ice2』公式ウェブサイトはこちら

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