停滞気味のEVの売れ行きへのテコ入れとして、自動車メーカー各社が試行錯誤を重ねる中、中国の大手BYDがタイ市場で非常に大胆な値下げに打って出た。なかには、最大で34万バーツ(約143万円)の値下げを行った車種もあるという!!
※本稿は2024年8月のものです
文:角田伸幸/写真:BYD、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年9月26日号
■いったいどうした!? BYDのドエライ値下げ!
中国ではEVの販売ペースが落ちており、売り先を求めた現地メーカーが積極的に海外進出を図っているのはご存知のとおり。
なかでも東南アジアは格好の輸出先で、たとえばタイの2023年の自動車販売シェアでは、中国勢が史上初めて11%を占めた。
しかしタイにはタイの事情がある。同国では景気鈍化に加えて家計の債務率(借金)が高いとされ(特に地方部)、2024年に入って自動車ローンの審査が極めて厳しくなっているのだ。
この影響で、人気のピックアップトラックなども売れゆきを落としているのだが、自動車メーカーはあの手この手で防戦している。
なかでも市場を驚かせたのがBYDの動きだ。
同社は2024年春、アット3に廉価モデルを導入した。さらに7月には全ラインナップの値下げを発表、なんと最大で34万バーツ(約143万円)という値下げを行ったのだ。
さすがにこの値下げには、旧モデルの顧客から不満が出て、BYDは充電費の1年間無料化を発表した。
それにしても中国車の価格競争力は破壊的。こんなこと、つい日本車でも期待しちゃうなあ。
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