スクーターからギア付きのロードスポーツまで、今や多種多様なタイプを選べる50cc超〜125cc以下の原付二種バイク。最近は、とりわけ人気が高いジャンルのひとつですが、フロントフェンダー先端に白い「帯マーク」、リヤフェンダーには白い「三角マーク」がありますよね。これらを見て、「ちょっとダサイから剥がしたい」なんて思う人もいるでしょうが、そもそも、なぜ付いているのでしょう? また、もし剥がすと違反になるのでしょうか? 

  文/平塚直樹 Webikeプラス  

原付一種と原付二種を区別するマーク

 結論を先にいえば、原付二種バイクに付いている白い帯や三角のマークは、原付一種バイクと区別するための標識です。

 

 

 

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 いわゆる原付バイク、原動機付自転車は、以下の2つに分かれているのはご存じの通り。

・50cc以下の原付一種(第一種原動機付自転車)
・50cc超〜125cc以下の原付二種(第二種原動機付自転車)

 そして、原付一種と原付二種では、排気量が違うものの、車体の大きさや外観などに、あまり違いのないモデルも多いのです。

 例えば、ホンダの人気ビジネスモデル、原付一種の「スーパーカブ50」と原付二種の「スーパーカブ110」。

 両タイプのボディサイズは、どちらも全長1860mmで、全高1040mm。全幅のみスーパーカブ50が695mmで、スーパーカブ110が705mmですが、全体的な大きさは、ほとんど変わらないといえます。また、外装の装備はもちろん、似たようなカラーリングも設定があるため、外観の感じもかなり似通っています。つまり、両タイプは、よほどバイクに詳しい人でない限り、街中でぱっと見ても区別しづらいのです。

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 でも、一方で、原付一種と原付二種では、公道を走る際の交通ルールに違いがあります。例を挙げると、以下のような感じです。

・最高速度(速度制限のない道路):原付一種30km/h/原付二種60km/h
・2段階右折:原付一種は必要/原付二種は不要
・2人乗り:原付一種は不可/原付二種は可能

 そして、交通ルールに則って取り締まりを行う警察などにとっては、原付一種と原付二種の区別が付かないと、困るケースも出てきます。たとえば、2段階右折。交差点で2段階右折をせずに曲がった原付バイクが、原付一種なのか原付二種なのかぱっと見て分からないと、違反したかどうかの判別もつかないからです。

 そこで、主に国内のバイクメーカーが、ぱっと見て原付一種と原付二種を区別するために、自主的に付けたのが、白い三角や帯状のマークなのです。

 特に、原付一種と原付二種では、先述したスーパーカブ50とスーパーカブ110のように、デザインが似ていたり、同じモデル名をあえて共有しているモデルも多々あります。そのため、区別をしやすくし、円滑で確実な取締りをできるようにすることを目的に表示しているのがこれらマークだといえます。

 

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取り外しても問題なし?

 では、これらマークを、見た目が悪いなどの理由で剥がしてしまうのは、違反となるのでしょうか? 

 答えは、基本的に「ノー」。前述の通り、これらのマークは、あくまでメーカーの自主的な取り組みであり、法律上の表示義務はありません。そのため、剥がしても問題ないのです。

 特に、ヤフェンダーにある三角マークは、現在、あまり重要性はないでしょう。後方から原付一種と原付二種を区別するには、ナンバープレートの色を見れば分かるからです(50cc以下の原付一種は白、原付二種は50cc超〜90cc以下が黄色、90cc超〜125cc以下がピンク)。

 

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 ただし、たとえば、フロントフェンダーの白い帯マークなどを剥がした原付二種バイクが、30km/hを超える速度で走ったり、2段階右折をしなかった場合、原付一種と勘違いされて、警察などから誤った取締りを受けるケースもありえます。

 しかも、一度止められるくらいならまだしも、何度も誤解を受ける可能性もあり、そうなるとちょっと面倒です。そう考えると、三角マークや帯マークは、どうしても許せないといった美学の持ち主でなければ、剥がさないでおく方がいいのではないでしょうか。

 *写真はイメージです

 

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