新型フロンクスはオプションほぼいらないほどの充実っぷり。それでいて250万円台スタートはお見事。とはいえスズキのコンパクトSUVといえばエスクード!! という人も多いハズ。終売となってしまったが、ホントにエスクードを無くしてよかったのか!? フロンクスでいいのか!?!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■最初っからフル装備!! なのに250万スタートのフロンクスは見事すぎ
先日、ついに発売となったスズキのコンパクトクロスオーバーSUVである新型フロンクス。全長4m未満という扱いやすいボディサイズと1.5Lのマイルドハイブリッドを搭載して約250万円からという低価格を実現しており、ヒット車種になることは間違いないと言われる1台だ。
ただ、スズキのコンパクトなSUVといえば、やはりエスクードが思い返されるところ。現在はラインナップから姿を消してしまっているが、1988年の初代モデル登場から2024年春まで、販売休止期間もありつつ4世代に渡ってラインナップを守り続けてきたモデルである。
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■3代目までは本格派!! 最終モデルでフルモノコックに!! エスクード変わりすぎじゃ……
ひと口にエスクードといっても、実は時代の流れによって頻繁にキャラクターを変えており、どの年代のエスクードを思い浮かべるかによって印象が大きく変わるモデルかもしれない。
1988年に登場した初代の初期モデルは、本格的なラダーフレームやパートタイム4WDなど、しっかりとしたオフロード性能を持ちつつも、1.6Lのエンジンや5ナンバーサイズのボディ、そしてクリーンでモダンなスタイルは都市部で使い勝手よく乗ることができる“ライトクロカン”の元祖的なモデルとなっていた。
ただ人気が出るとともにより使い勝手のよいモデルが求められるようになると、ホイールベースを延長した5ドアモデルの「ノマド」が追加され、エンジンも2.0LのV6エンジンを設定。さらにモデル末期にはV6 2.5Lエンジンも搭載されて大型化が顕著になっていった。
この大型化は1997年11月に登場した2代目になるとさらに加速し、2000年12月には3列7人乗りでV6 2.7Lエンジンを搭載した「グランドエスクード」が登場。2002年11月には3ドアモデルが廃止となり、初代の初期モデルの面影はどんどん失われていったのだ。
そして2005年5月に登場した3代目ではさらにボディが大型化し、全幅は1.8mを超え、後期型ではV6 3.2Lという大排気量エンジンを搭載するまでに至ったのである。
このようにどんどん大型化していったエスクードだったが、2105年に登場した4代目モデルでは一転、再び1.6Lエンジンを搭載するコンパクトクロスオーバーSUVに戻ることとなる。
ただ、3代目までのラダーフレームを備える本格的なシャシーではなく、SX4 Sクロスと共通のモノコックボディに。ある意味で乗用車感の強いモデルとなったが、1.6LのNAエンジンでスタートしたパワートレインは1.4Lターボになったり、販売休止期間を経て1.5Lのストロングハイブリッドモデルになったりと迷走を極めてしまった。
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■初代っぽいデザインで復活期待もエスクード出る幕なし…!?
このように時代の流れに翻弄されてしまった感のあるエスクードだが、もし復活するとしてもラダーフレームを備えるモデルとしてはジムニー/ジムニーシエラが存在しており、モノコックボディのコンパクトクロスオーバーSUVはフロンクスが登場したばかり。
ラダーフレーム×5ドアというボディタイプは現在のスズキのラインナップには存在しないものの、海外でデビュー済のジムニー5ドアが日本にも導入されればバッティングすることは必至であり、そうなるとエスクードが出る幕はないというのが正直なところではないだろうか。
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