先日新型のスピードツイン1200/RSを発表したばかりのトライアンフから、続けて新型のスピードツイン900が発表された。2023年にストリートツインからスピードツインへと名称が改められたばかりのこのモデルだが、新型は倒立フォークとピギーバックタイプのリアショックで足回りを強化し、灯火類をフルLEDにするなど最新の装備が与えられている。
文/後藤秀之 Webikeプラス
日本市場において輝くであろう新型スピードツイン900
ホンダのGB350シリーズが大ヒットしている日本のバイク市場において、クラシカルなスタイルのバイクのニーズは極めて高いといえるだろう。2021年にGB350が発売されてから3年以上が経過し、大型バイク免許を取得したというユーザーも多いはずだ。
クラシックスタイルの大型バイクに何を求めるかは人によって異なる部分もあるが、「バーチカルツイン」というエンジン形式に魅力を感じるというユーザーは意外と多いはずだ。バーチカルツインエンジンを搭載したクラシックスタイル大型バイクで現行車と言えるのは、カワサキのW800とメグロK3、トライアンフのボンネビル、スラクストン、スピードツイン、スクランブラーなどのモダンクラシックラインといったところだろう。
トライアンフのモダンクラシックラインナップの中でも、スピードツインはより現代的なカフェレーサースタイルを採用し、クラシカルなルックスと現代的なスポーツバイク融合させたトライアンフならではのスポーツバイクに仕立てられている。サイズ的にも日本の道路事情に適しており、65PSという最高出力も過不足ない設定と言える。
足周りのリファインで、より高いスポーツ性能を身に付けた
新型のスピードツイン900は、エンジンやフレームといった部分は基本的に2024年モデルがベースとなっており、シンプルなスチール製のフレームに水冷SOHC8バルブ並列2気筒エンジンを搭載する。
このエンジンはボア×ストローク84.6×80.0mmのショートストローク設定で、最高出力は65PS((47.8 kW)/ 7500 rpm、最大トルク80N・m/3800rpmを発生する。このエンジンスペックは2024年モデルと同様であり、エンジンに関してはほぼ手が入れられていないと考えられる。このエンジンの特徴はわずか3800rpmで最大トルクを発生することであり、中低速域での力強さと270°クランクが生み出す鼓動感は、バーチカルツインらしい乗り味を感じさせてくれるものだ。
大幅に変更されたのは足回りであり、フロントにはマルゾッキ製の倒立フォーク、リアには同じくマルゾッキ製のピギーバックタイプのショックユニットが与えられている。組み合わされるスイングアームは剛性を高めつつ軽量化された新型のアルミ製で、乗り手の思い通りになるコントロール性と乗り心地を生み出している。リアホイールのトラベル量が従来の120mmから110mmへとわずかに短縮されており、これによって快適性を犠牲にすることなくコントロールが向上している。
ホイールサイズはフロント18、リア17インチで先代と同じだが、ホイールのデザインはリニューアルされている。組み合わされるタイヤはミシュランのロードクラシックで、前後17インチでメッツラーのレーステックRR K3を履く1200とのキャラクターの違いを感じさせる。
ブレーキはフロントが320mm径フローティングディスク+トライアンフブランドの4ポットキャリパー、リアが255mm径のソリッドディスク+ニッシン製2ポットで、前後ともOCABS(コーナリングABS)を備えている。また、トラクションコントロールを備え、「ロード」と「レイン」の2つのライディングモードが路面状況に合わせた最適なスロットルレスポンスを実現する。
ユーティリティも最新レベルにグレードアップ
メーターはコンパクトな丸型シングルメーターデザインながら、回転数、速度、ギアを表示する大型の明るい LCDディスプレイと、ライディングモードなどの追加情報を提供する統合型 TFTディスプレイを備えている。このフルカラースクリーンはアクセサリーのグリップヒーターの他、Bluetooth接続モジュールと互換性があり、ターンバイターンナビゲーションや携帯電話からの通話や音楽の表示と制御が可能になっている。
長距離走行時にライダーの負担を軽くするクルーズコントロールもアクセサリーとして用意され、メーターの側面には防水カバー付きのUSB-Cタイプ給電ポートも備わっている。また、ヘッドライトやウインカーなどの灯火類は全てLED化され、最適な視認性を確保しつつクラシカルなデザインに現代的なエッセンスを加えている。
純正のアクセサリーパーツなども多数用意されており、自分好みにカスタマイズできるこの新しいスピードツイン900は、2025年の2月にイギリスでは販売が開始される予定となっており、日本での販売開始も大きく遅れることはないだろう。
スピードツイン900主要諸元(2025)
・全長×全幅×全高:2090×777×1115mm
・ホイールベース:1435mm
・シート高:780mm
・車両重量:216kg
・エジンン:水冷4ストローク4バルブ並列2気筒900cc
・最高出力:65PS((47.8 kW)/ 7500 rpm
・最大トルク:80N・m/3800rpm
・燃料タンク容量:12L
・変速機:段リ5ターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=100/90-18、R=150/70-17
・価格:119万9000円(アルミニウムシルバー)/123万4000円(ビュアホワイト・ファントムブラック)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。