ステアリングを握る際にはいつも何らか音楽を聴いているというドライバー諸氏に向けて、その音楽を「何で再生するか」について考えている当連載。今回は、市販「ディスプレイオーディオ」の「音楽プレーヤー」としてのポテンシャルの分析をお届けする。
◆市販ディスプレイオーディオは、スマホ連携力がますます強力に!
最初に、ディスプレイオーディオとは何なのかを簡単に説明しておこう。これはつまり「AV一体型ナビ」からナビ機能を省いたメインユニットだが、実際はさらに地デジチューナーも省かれている場合がほとんどだ。これが世に出た当初は地デジチューナーを内蔵しているモデルがいくつかあったが、近年はそのようなモデルはほぼ消えた。製品価格を抑えることが優先されているからだろう。結果、市販ディスプレイオーディオは、地デジを聴くための音楽プレーヤーとしては機能しない場合がほとんどだ。
しかしその一方で、「Apple CarPlay」と「androidauto」への対応は広がっている。対応すると価格は上がるが、しかしこれらへのニーズはかなり高く、今やほとんどの機種が対応している。対応していると、ナビメカは非搭載ながらも搭載されているかのようになる。
なおCarPlayに対応していると、スマホを音楽プレーヤーとして使うときにも利点が得られる。アプリの表示をモニターに映し出せて操作もディスプレイオーディオのモニター上にて行える。操作性の点では、「Bluetooth接続」接続を上回る。
カロッツェリア・DMH-SF500◆ケンウッドの新作では、CarPlay接続もミラーリングも無線で実行可能!
そしてディスプレイオーディオの多くは、「HDMI入力端子」も備えている。スマホの「ミラーリング」を行えるようにするためだ。
かくして市販ディスプレイオーディオは、スマホを音楽プレーヤーとして使おうとするときに至って便利に活用できる。そしてこの秋に発表された最新作では、その傾向が一層顕著になっている。
例えばケンウッドから11月に発売される新機種では、Apple CarPlayとandroidautoのワイヤレス接続が可能となった。なのでスマホを音楽プレーヤーとして使う場合にもワイヤレスCarPlay接続すれば、Bluetooth接続で聴くよりも総合的に便利だ。操作性ではBluetooth接続より上で、ワイヤレスという点では同等なので見劣りしない。
さらに同社の新作では、ミラーリングもワイヤレスにて行える。動画系コンテンツもコードの存在を気にすることなく楽しめる。
カロッツェリア・DMH-SZ700◆カロッツェリアの新作も、スマホ連携力がますます強力に!
またカロッツェリアもこの秋に新作を発表した。これまで同社のディスプレイオーディオは9V型が最大サイズだったが、新作は10.1V型となり一層画面が見やすく動画系コンテンツもより迫力ある映像で楽しめるようになっている。
なおその新作でもApple CarPlayとandroidautoがワイヤレス接続できるようになっている。また新たに「PxLink」に対応したことにより、スマホが高性能なリモコンとして活用できる。
ところで同社の機種の中には今秋に発売される新作も含めて「ウェブリンク」に対応したモデルがあり、それらでは対応スマホアプリの表示を車載機の画面に映し出せて操作もディスプレイ上にて行える。ゆえに、動画系アプリをより便利に楽しめる。
そしてカロッツェリアのディスプレイオーディオの中には2機種、ウェブリンクには非対応ながらもブラウザを搭載しているモデルがあり、それらではディスプレイオーディオ自体が「動画プレーヤー」としても機能する。
今回は以上だ。次回からはこれまで紹介してきた以外の音楽プレーヤーの選択肢についてリポートしていく。お楽しみに。
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