ヤマップは10月15日、山梨県甲府市、イーデザイン損害保険と協力した「金峰山古道復活プロジェクト」において、金峰山の林道整備工事が完了したと発表した。林道は10月18日に開通する。

日本百名山にも選ばれている金峰山で、古道の「御嶽道(みたけみち)」につながる林道を一般の人でも利用できるように整備した。整備された駐車場を活用して御嶽道を体験しやすくなった。

●山伏や修験者たちが使った道にアクセス

金峰山は、甲府市と長野県川上村にまたがる標高2599mの山。山頂の巨岩「五丈岩」が特徴的だ。

金峰山の“忘れられつつある古道”である御嶽道は、山伏や修験者たちが、山麓の金櫻(かなざくら)神社から山頂の本宮(五丈岩)に行くための表参道として使われていた。道中には「片手廻し岩」と呼ばれる20mを超える巨岩やかつて水晶が見つかった水晶峠といった見所が存在し、振り返ると富士山を見ることもできる。

しかし、山頂へのアクセスが容易な他の登山ルートが開通することで、利用する登山客が少なくなっていた。

●金峰山古道復活プロジェクト

「この素晴らしい登山道をもっと多くの人に楽しんでほしい」との思いからヤマップは、地元の甲府市や山梨県在住の登山家と連携し、「御嶽道に至る林業専用道路を、一般向けの林道として整備する」というアイデアの実現を目指した。イーデザイン損保も連携に加わり、自治体、民間企業、地元有志が「金峰山を愛する登山者の会」を発足した。

2023年12月に始めたクラウドファンディングで632万円が集まり、これにイーデザイン損保の支援なども加えて、復活に必要な林道工事費を甲府市に寄付。工事は2024年8月に開始、林道と駐車場が整備されて、金峰山への登山道である古道にアクセスしやすくなった。地元甲府市にとっては市のシンボルである金峰山へ、甲府市側から登るルートが開通したことになる。

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