トヨタのスポーツカーブランド「GR」を冠して2021年に登場した、トヨタ「GR86」。トヨタとスバルによる共同開発車であり、スバルBRZとクルマのベースを共有した兄弟車です。
現行モデルの登場から3年、ウワサによると、すでに次期型の開発が始まっているとのことで、次期型では、現行のスバル製エンジンからトヨタ製のスポーツエンジンへと変わるのではないか、とされています。
はたして、次期GR86はどのようなモデルになるのか!? 予想してみました。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA
発売後もGRらしい走りの味を追求し続けているGR86
ドライバーの意のままに操れる「手の内感」や、キビキビした走りなどによって、小型FRスポーツファンからの絶大な支持を得ている、トヨタ「GR86」。
2024年7月12日には一部改良を行い、ショックアブソーバー減衰特性やEPS制御の改良したほか、スロットル特性を変更(MT車)し、ダウンシフト操作時における許容領域も拡大(AT車)するなど、接地感や操舵レスポンス、リニア感を向上させており、トヨタによるとGRらしい走りの味に磨きがかかったとのこと。また、200台限定の特別仕様車 RZ リッジグリーンリミテッドも発表、2024年7月12日から7月28日まで抽選受付が行われました。新しいカラーバリエーションが加わったほか、限定パーツが搭載されているということで、申し込みは殺到したようです(2024年10月販売)。
GR86の中古車をもっと見る ≫新型の2.0Lターボエンジンの搭載もありうる!!
そんなGR86は次期型モデルでどのようなモデルとなるのか。まず真っ先に気になるのは、トヨタ製になるとウワサされている、パワートレインでしょう。
ウワサどおりにトヨタ製であるならば、最大出力300PS超のGRヤリスやGRカローラの直列3気筒1.6Lターボの搭載が手堅いところかもしれません。これを縦置きレイアウトに換装し、駆動方式はもちろんFRを継承。8速ATのほか、6速MTもこれまで通り設定されるでしょう。
ただ、2024年5月にトヨタ、スバル、マツダの3社が共同で行った「マルチパスウェイワークショップ」においてトヨタが発表した、新型の1.5LのNAとターボ、2.0Lのターボエンジンの搭載も期待できると思います。エンジンのショートストローク化によって、エンジン本体の全高と体積を10%低減しており、低フードによる空気抵抗低減(燃費向上)だけでなく、軽量化にも貢献することが期待できます。
特に2.0Lターボエンジンは、「2.4L ターボ並みの出力を発揮する、モータースポーツ向けのエンジン」であることが明かされており、このフレーズは、まさに現行GR86の2.4Lターボを示唆しているかのよう。トヨタはさらに、400PS/500Nmバージョンと300PS/400Nmのバージョン(の2.0Lターボエンジン)も公開しています。
少し話がそれますが、この新型エンジンは、ショートストローク化によって、エンジンの回転数限界をあげることができるため、400PSや500PSといったさらなる出力追求もできるそう。つまりは次期GR86だけでなく、高出力版エンジンはその上の次期GRスープラにも搭載される可能性があります。将来が非常に楽しみなパワーユニットですね。
ボディサイズは現行を死守してほしい
ボディサイズに関しては、これ以上の重量増を避けるためにも、現行GR86とほぼ同じ、4265mm×1775mm×1310mm、ホイールベース2575mmは死守したいところ。GR86(1260~1290kg)は、初代86(1210~1270kg)と比べると、20~50kgほど重量増加をしています。安全性能向上のためのボディ補強に加え、パフォーマンスアップのためにエンジンを2.0L水平対向から2.4L水平対向に変更したことが要因ですが、小型FRスポーツというGR86の個性が損なわれることがないよう、サイズアップはできる限り避けてほしいです。
BRZとの兄弟車関係は続くのか!??
初代そして2代目と、スバルが主体となって車両開発がなされてきたBRZと(GR)86ですが、環境性能も含めてよりよいパワートレインを実現できるならばそちらを選択するのが自然といえば自然。BRZとの兄弟車関係がどうなるのかは気になるところではありますが、パワートレインがトヨタ製になるならば、次期GR86はトヨタ主体で開発される可能性もあり、3代目にして大きく変わる可能性があります。
その姿が披露されるまでには、まだもう少し時間はかかると思われますが、筆者は2025年のジャパンモビリティショーで次期GR86およびBRZのプロトタイプを発表、2026年秋に発売、というタイムスケジュールではないかと予測しています。いまからその登場が非常に楽しみです。
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