いまや付いているのが当然の、快適・安全・便利な装備の数々。ラクな反面、運転技術が退化してしまいそうな気もする。実はとあるひとりのライターも感じていたそうだ。そう、皆さんご存知清水草一氏だ。彼もそんな危惧を抱くひとりなのである。そんな清水草一氏が「クルマは“ついてない”ほうがエライのだ!」と宣言したのだ!!

※本稿は2024年8月のものです
文:清水草一/写真:ホンダ、ベストカー編集部、AdobeStock
初出:『ベストカー』2024年9月26日号

■クルマまかせじゃツマラネエ! オレがクルマを操るのだ!

清水草一氏がこよなく愛するフェラーリもかなり「ついてないクルマ」だ

 20世紀中、クルマは男の仕事場だった。今じゃ男の仕事場って言葉自体が性差別表現だが、かつてクルマは、男がすべてを自分のコントロール下におき、自らの責任で操作するものだった。

 オートライトが登場した時、ある自動車評論家はこう言った。「そんなものが付いてるから、トンネルに入ったことにも気づかないドライバーが増えるんだ!」と。横滑り防止装置なんて論外! 横滑りしたらカウンター当てろや!

 でも今じゃオートライトも横滑り防止装置も義務。付いてないとあかん。そのうち踏み間違い抑制装置も義務化される。それらは交通事故防止に間違いなく役立つのである。

 しかし我々クルマ好きは、心のどこかで考えている。快適で安全な装備が付いてないクルマほどエラいし、イバれるんじゃないかと!

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■ついてて当然の快適装備:超当たり前系

今どきエアコンがないクルマなんて旧車だけ! ついてないと夏は乗れません……(Africa Studio@AdobeStock)

●パワステ

 今どきパワステがついてないクルマなんてありえない。「ハンドルが重いって何のこと?」。だからこそ重ステはエリートかも。

●エアコン

 エアコンは快適装備の一丁目一番地。これがついてないクルマなんて考えられないし、地獄でしょ! でも地獄の住人はエライ!

今ではパワーウィンドウがないクルマは商用車の一部のみ!

●パワーウィンドウ

 パワーウィンドウってラクだよね~。でもETCの普及で窓を開ける機会は激減した。手回しハンドルを発見したら抱き着きたい!

●集中ドアロック

 あまりにも当たり前な装備なので、ついてないとどれくらいめんどくさいか知らないだろうけど、4ドアだと超めんどくさいよ!

●カーオーディオ

 カセットテープからCD、MDとメディアは変遷しましたが、オーディオレスのまま乗ってる人はまずいない。音楽はクルマの友!

●カップホルダー

 ミニバンは一時、カップホルダーの数を競っていた。数が多けりゃ多いほどエライみたいな。カップホルダーのないクルマは超硬派と言えましょう。

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■ついてて当然の快適装備:安全系

展開させたことは一度もないけれど、いざという時に守ってくれるエアバッグ

●エアバッグ

 私は幸いにしてお世話になったことは一度もないですが、エアバッグがついてないクラシックなステアリングを見ると、ちょっとコワイと思ったりもします。安全第一!

●ABS

 一般道を普通に走っているかぎり、あまりお世話になる機会はないのですが、事実上義務化されています。ついてないのはだいたい昭和時代に産声を上げた漢(おとこ)のクラシックカーでございましょう。

横滑り防止装置は義務。現在すべての新車に付いている

●横滑り防止装置

 ほとんどお世話になる機会はないですが、事故防止に効果があるという統計があり、10年ほど前に義務化。ABSがないと実現できないのでABSも事実上義務。

●自動ブレーキ

 正式には「衝突被害軽減ブレーキ」。効果を試すのは怖いので公道ではムリですが、事故防止に大きな効果があり、ついてれば安心。

●踏み間違い抑制装置

 中高年になると踏み間違いの恐怖がもたげてきます。現在は低速での踏み間違いにのみ対応ですが、これがついていればだいぶ安心。

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■ついてて当然の快適装備:ラクチン系

ACCはほぼ当たり前の装備に。レベル3の自動運転装置も開発され、高速道路の渋滞中は手放しOKも

●ACC

 快適ラクチン装備の決定版! 一度これを知ったらやめられない。クルマ選び=ACC選び? と思うほど。新しいほど高性能。

●カーナビ

 最近はスマホが最強のカーナビ状態。ぶっちゃけ車載のカーナビがなくても、実質全車ナビ付きみたいなもんなんだけどね。

●オートライト

 暗くなると自動的に点灯。オートハイビームも作動レスポンスが高まり、それなりにラクチン。

●自動パーキングブレーキ

 かつては手引きが当たり前だったけど、今は電子式が当たり前。停止すると自動的にかかるのも普通になった。

●バックカメラ

 2年前から新型車への装着が義務化されました。やっぱり見えるとラクチンなんだよねー。

ついてるか否か、今最も注目される装備はシートヒーター

●シートヒーター

 冬、女性に最も喜ばれる装備です。迎えに行ったら乗せる前に温めておき、デキる男をアピールするのもいいでしょう。ホッカホカシートで心もホッカホカ。

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■ついてて当然の快適装備:要るのか系

今やタッチパネルは完全に当たり前だけど、運転中の操作が難しくてけっこう危険

●タッチパネル

 運転中の操作のしにくさには定評がありますが、なぜか超スタンダードになってしまいました。イメージはなんとなく未来的だけど、なるべく早く禁止してもらいたいです。

●テレビ

 クルマの中でテレビを見たことがありません。なぜクルマにテレビがついているのか個人的にはわかりませんが、かなり当たり前についてます。子どもが喜ぶのかなぁ。もちろんドライバーは運転中に見ちゃダメ。

●アイドリングストップ

 燃費の節約のため、ついてて当然な装備になりましたが、バッテリーの消耗や夏のエアコン停止を考えると、ついてないクルマバンザーイ! って感じです。

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■ホンダN-BOXは全部つき!

N-BOXの装備表を見ると、標準でほとんど全部ついててビビる

 ここで挙げた快適装備は合計20点だが、日本で一番売れているクルマ、ホンダN-BOXの装備を見ると、20点すべてがついていることに驚愕! ニッポンの軽はここまで来ているのかぁっ!

 超当たり前系装備が全部ついてるのは当たり前としても、安全系はホンダセンシングがすべてカバーしているし、ラクチン系のACCやオートライト(オートハイビーム含む)もホンダセンシングの機能の一部。

 最もベーシックなノーマルの「G」のみ、ホンダセンシングをレスオプションにできるが、そんなの注文する人はほとんどいない。

 最大の関門と思われたシートヒーターも、ノーマル「G」のFFを除いて、運転席と助手席に標準装備されている。スゴイ。

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