日本損害保険協会は9月13日、交通事故の防止・軽減を目的として、最新の「全国交通事故多発交差点マップ」を公表した。ワーストは東京都豊島区にある池袋六ツ又交差点と大阪市住吉区にある長居交差点だった。いずれも1年間に19件の事故が発生している。

このマップは、人身事故の半数以上が交差点・交差点付近で発生することに着目し、2023年の交通事故データをもとに、全国の地方新聞社の協力を得て作成したもの。都道府県ごとに、人身事故件数が多い5つの交差点について、特徴や主な事故要因・予防策などを紹介している。

2023年度は、新たに2種類の情報を追加した。ひとつは付近の小学校の情報、もうひとつは信号機の有無。登下校中の児童らが巻き込まれる事故が多く発生していることから、新たにワースト交差点付近の小学校を情報として追加した。また交差点での事故は、半数以上が信号機のない交差点で起こっていることから、交差点の特徴において信号機の有無についても記載した。

全国交通事故多発交差点ランキング
1位:東京都豊島区池袋六ツ又交差点…19件(2021年掲載)
1位:大阪市住吉区長居交差点…19件(過去3年間掲載なし)
3位:大阪市天王寺区谷町9丁目交差点…16件 (2020、22年掲載)
4位:大阪市中央区谷町4丁目交差点…15件(過去3年間掲載なし)
5位:東京都渋谷区神宮前交差点…14件(過去3年間掲載なし)
5位:東京都港区赤羽橋交差点…14件(過去3年間掲載なし)
5位:名古屋市中村区笹島交差点…14件(2021年掲載)
5位:名古屋市緑区折戸交差点…14件(2022年掲載)
5位:大阪市天王寺区上本町6丁目交差点…14件(2022年掲載)
5位:大阪市北区梅新東交差点…14件(2020、21年掲載)
5位:大阪市平野区瓜破交差点…14件(2021年掲載)
本マップのランキングは事故件数の多寡により順位付けしており、事故状況や損害・被害の程度は加味されていない。

池袋六ツ又交差点:左奥が都道441号、高架中段が川越街道

2023年度ランキングでは、大阪府の府内ワースト5か所が全て全国ランキング入りしている。大阪府ではワースト6か所中4か所が過去3年間に1~2度のランキング掲載があるのに対し、東京都では5か所中4か所が過去3年間掲載なし、愛知県では6か所中4か所が過去3年間掲載なしだ。

いっぽうで2022年のワースト3、1位の東京都板橋区熊野町交差点(19件)、2位の大阪市北区東天満交差点と神戸市長田区長田交差点(それぞれ18件)がランク外になった。

2023年の全国の全交通事故件数は30万7903件で前年比7064件マイナス。そのうち交差点事故は17万6562件で割合は57.3%、件数で5897件マイナス、割合で0.6ポイントマイナスになっている。死者数は全交通事故での2678人に対し、交差点事故では1299人、割合は48.5%。

池袋六ツ又交差点の特徴

国道254号(交差点を境に北側は川越街道、南側は春日通り)と都道305号(明治通り)が交わる交差点に、南側から都道435号(音羽池袋線)が国道254号に対してY字型に接続し、さらに西側から区道が接続する変則六差路交差点。交差点には首都高速5号池袋線と池袋六ツ又陸橋の橋脚がある。区道は本交差点から西行の一方通行。国道254号は実質池袋六ツ又陸橋を通過し、交差点から北側の地平は国道441号になる。交差点は池袋の繁華街の北東側に位置しており、車両の交通量は多い。



長居交差点の特徴

国道479号と府道大阪高石線が交わる四差路交差点で、平坦な直線道路が平面で交差する。車の交通量は多いが、比較的スムーズに流れている。交差点周辺には長居公園(競技場)やスーパーマーケットなどの商業施設があり、特に昼間帯は自転車や歩行者の通行が多い。交差点付近にはバス停、タクシー乗り場が設置されているほか、交差点角には大阪メトロ長居駅出入口などがあり、見通しが悪い交差点だ。


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