どんなクルマ好きでも、興味を惹かれるのは自分の趣味に合ったクルマだろう。しかしそれでは「意外な出会い」というのは訪れなこと、読者にはよ～く伝わると思う。そこで「乗ってみたらけっこう良かった！」といったような、そんな出会いが体験できるのがレンタカーショップだ。「クルマガチャ」ともいえるレンタカーショップで、自動車評論家、清水草一氏が体験したときめく出会いとは!?
※本稿は2024年7月のものです
文：清水草一／写真：清水草一、三菱 ほか
初出：『ベストカー』2024年8月26日号
■それはまさに蜃気楼のような……旅先での一瞬の出会い
福岡空港そばのSレンタカー。準大手だが、大手各社より微妙に安い価格に惹かれ、Sクラス（登録車最小クラス）の予約を入れた。
当日、受付を済ませてクルマに案内される。ヤリスや現行フィットなど大アタリの横を素通りして案内されたのは、見慣れないシルエットのクルマだった。
（こ、これってミラージュ!? しかもダイナミックシールド付きじゃん!!）
思わず叫びそうになるほど驚いた。仕事柄、だいたいのクルマに乗っているが、ダイナミックシールド付きのミラージュは初めて!! つーか間近で見た記憶すらない!! すげ～～～～っ！
これから3日間コイツと過ごすのかと思うと、カーマニア的には少し憂鬱だったが、乗ったことのないレア車に乗れるヨロコビは確かにあった。
そこから福岡、佐賀、長崎と、存分に史跡巡りを楽しんだが、ミラージュについての感想は、「やっぱり……」だった。
シャシーやパワートレーンは、登場当時からほとんど変わっておらず、走行６万キロゆえに、かなりヤレも来ていた。
それでもクルマに戻ってダイナミックシールドを見るたびに、「奇跡の邂逅だなぁ……」と嬉しくなるカーマニアのオレだった。
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