BMWのフラッグシップと言ったらやっぱり7シリーズだ。現行モデルはその衝撃的なフロントマスクが賛否両論を巻き起こしたが、やはりフラッグシップカーだけにそのポテンシャルは高い。今回は自動車オリンピック 馬術と題して、世界の乗り心地バツグンなクルマをランキング付けしていこう。
※本稿は2024年7月のものです
文:岡本幸一郎/写真:レクサス、トヨタ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年8月26日号
■世界の高級車はやはり強かった!
馬術には貴族のイメージがあるが、乗り心地がいいクルマも高価なものばかり。高くてもいいものはいい。
7シリーズとSクラスはさすが両社のフラッグシップらしく甲乙つけがたい。特にSクラスは路面を先読みしてあらかじめ足まわりを最適な状態にするような制御もやっていて、路面を問わず乗り心地は極上だ。
それでも、現状ではSクラスより7シリーズのほうがやや上。それもBEVのi7が素晴らしいのなんの。
銅メダルはLMだ。本来的に乗り心地というのはセダンのほうが有利で、ミニバンやSUVは車体剛性や重心高の面で不利だ。
ところがLMは、車体の強化や電子制御ダンパーが効いて、アル/ヴェルで見受けられた硬さ感が払拭されている。縦揺れも横揺れも小さく、しなやかでフラット感がある。後席の乗り心地に特化したモードもある。
4位は乗り心地の本命、シトロエンC5Xだ。「PHC」と呼ぶ独自の構造の足まわりは、まさに往年の「魔法の絨毯」のような乗り心地で感動モノだ。このなかでは価格(561万8000円〜)が安いのもエライ。
5位のクラウンセダンは、ショーファードリブンを想定して開発されたので乗り心地がほかのクラウンとは一線を画する。路面の当たりがソフトで、これもリアコンフォートモードがある。
HEVも充分に快適だが、FCEVはさらに快適だ。ただし、水素タンク等をめいっぱい搭載した手前、居住スペースは思ったほど広くないのが難点ではある。
レンジローバーは本格SUVのなかで乗り心地が最もいい。これほど大柄で重くて重心が高いながらも、そのハンデをものともせず、むしろ豊かなサスペンションストロークを活かして快適な乗り心地を実現しているのは大したものだ。
●馬術(乗り心地)
・金メダル:BMW i7
・銀メダル:メルセデスベンツ Sクラス
・銅メダル:レクサス LM
・4位:シトロエン C5X
・5位:トヨタ クラウンセダン
・6位:ランドローバー レンジローバー
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