2024年も後半戦。前半には注目の新型車登場や、自動車メーカーの不正など、さまざまなニュースがあった。この先のキーとなる自動車界の事象は何か? ここでは、西側諸国が警戒感をあらわにする中国BEVについて探ってみる。

※本稿は2024年6月のものです
文:加藤博人/写真:トヨタ、日産、BYD、ヒョンデ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年7月26日号

■各国が警戒する中国BEV

低価格が売りの中国BEV。補助金中止など、締め付けも行われている

 中国は巨大な内需を擁するいっぽう、西側諸国への輸出において多くの課題が立ちはだかる。先日も米国政府は中国製BEVへの関税を100%へ、欧州も約48%へ引き上げると表明した。

 これ以外にも中国政府からの巨額の補助金や欧州諸国へのダンピング輸出など、多くの疑惑が欧州による調査対象となっている。

 中国が輸出を拡大させる背景には内需をはるかに超えた過剰な生産能力も影響しており、年間十数万台レベルの能力を持て余しているメーカーは少なくない。

 ただ、進出できる市場も限られており、なおかつその国々が自国での現地生産を義務付けているパターンも多いため、ある種のジレンマに陥っていると言えるだろう。

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