今年も猛暑日が続きそうな夏がやってきた。夏はカーライフを送る上で注意しておきたいポイントが多いのだが、実は洗車もそのうちの1つだ。しかも注意しないと愛車の塗装にダメージを与えてしまうこともある。そこで今回は、夏の洗車の注意点について紹介していこう。

文:西川昇吾/写真:AdobeStock(トップ画像=SKT Studio@AdobeStock)

■炎天下での洗車はNG!

炎天下でボディに水をかけると水は直ぐに蒸発してしまい、イオンデポジットと呼ばれる水ジミが残ってしまう(industrieblick@AdobeStock)

 夏の洗車で最も避けたいのは炎天下での洗車だ。「いや、暑すぎて夏の真っ昼間に洗車なんてしたら人間が危ないよ」そんな声もあるだろう。確かに、近年の夏は異常な暑さで洗車していたら冗談無しに命に関わる可能性もある。

 しかし、ちゃんとクルマをケアする観点からも炎天下での洗車は控えた方がいいのだ。

 洗車をするには「水をかけて→シャンプーをして→シャンプーを洗い流して→拭き上げる」という工程が一般的だろう。実は炎天下で熱くなったボディに水をかけるのが良くない行為なのだ。

 炎天下でボディに水をかけると水は直ぐに蒸発してしまう。こうなると水分中に含まれるカルシウムや塩素などが塗装面に付着してしまい、イオンデポジットと呼ばれる水ジミが残ってしまう。

 また、水滴がレンズとなり太陽の光を集めて塗装面にダメージを与えるウォータースポットが発生してしまうこともある。そして、これは稀なケースだが、炎天下で高温になったガラスにいきなり冷たい水をかけると温度差でガラスに亀裂が入ってしまうこともあるのだ。

 このような危険性から、夏は炎天下での洗車は基本的にしない方がいいと言える。

■夏の洗車に適した環境とは?

 夏に洗車をするのであれば適している時間帯はまだ気温が高くない早朝や、気温が低くなった夕方以降がベストと言える。早朝や夕方以降であれば、大きな影が出来ていて太陽を直接的に浴びにくいというのも大きなポイントと言えるだろう。

 もし、ガレージなどの屋内で洗車を出来るのであればベストと言えるが、そのような状況は難しい。カーポートなど、日陰がある場所での洗車ができるだけでも夏場はベターと言える。

 イオンデポジットやウォータースポットの観点から考えると、水滴がある状態でボディを太陽光や暑い環境にさらさないことが夏場の洗車では重要となる。

 洗車は他の季節よりもスピーディーに行うことが望まれるし、全体を洗ってから流して拭き上げるよりも、部分ごとに洗って拭き上げて…を繰り返した方が塗装面のことを考えると良いと言える。

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■ケミカル類でも対策を

2代目エクストレイルには、スクラッチシールドと呼ばれる特殊なコーティングがある

 また、最近は親水性のカーシャンプーや拭き取りと同時にコーティング作業が出来るコーティング剤などもある。親水性の方が、水滴がハッキリと残らないため、イオンデポジットやウォータースポットが発生する可能性が低くて済むし、拭き取りと同時にコーティング作業が出来ると時短にも繋がる。

 それぞれ洗車にはこだわりがあると思うが、このようなケミカル類をいつもとは違うものを使うというアプローチも良いだろう。

 まとめると、夏の洗車は塗装面に水滴を付けた状態で炎天下にさらさないこと、水滴を出来るだけ蒸発させないこと、この2点を意識すべきだ。この2点を意識した洗車が塗装面にダメージを与えない洗車に繋がるはずだ。

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