JOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)は8月8日、出光興産によるe-メタノール等合成燃料製造事業の開発をグローバルに推進する米国HIF Global社の出資を決定した、と発表した。

2022年の法改正により低・脱炭素な水素等への出資機能を追加して以降、合成燃料(e-fuel)分野におけるJOGMEC初の出資となる。

JOGMECは、HIF Global社が今後のプロジェクト開発等資金の新規調達を目的とした同社株式の新規発行に関し、出光興産の米国子会社であるIdemitsu Efuels America Corp.を通じて、株式の一部を取得することを決定した。

合成燃料(e-fuel)は、再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素を合成することで生成される液体の脱炭素燃料。既存のインフラを活用でき、飛行機・船舶・自動車の内燃機関に手を加えることなく利用できるため、脱炭素化への早期移行に向けたトランジションエネルギーとして重要な役割が期待されている。特にe-メタノールは海運業界における二酸化炭素の排出削減に貢献する船舶燃料の有力候補であり、他の合成燃料や化学品の原料としても利用される。

HIF Global社は、2022年よりチリ・マガジャネス州にてHaru Oni合成燃料製造実証プラントを操業し、現在世界4か国(米国、豪州、チリ、ウルグアイ)にて、大規模にe-メタノールおよび合成燃料製造事業の開発を推進している。将来的には世界でe-メタノール換算で年間400万トンの生産を目指している。

出光興産は米国、豪州におけるHIF Global社の事業からe-メタノールや合成燃料を日本へ持ち込むことを計画しており、HIF Global社への出資を通して、日本内外におけるe-メタノールはじめ合成燃料のサプライチェーン構築を目指している。

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