紆余曲折あったもののカローラの変幻自在っぷりはお見事で、その歴史も超絶長い。いわばブランドといっても過言ではない。一方で日産勢のブルーバードも長年愛され続けていたものの、今や終売に。日産のリバイバルプランで多くの名車が消えていったが、カローラの今を見る限りブルーバードの判断は正しかったのか!? 日産ファンの皆さんどうですか!?!?!?

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

■イメージ刷新はいいけどさ……思い切りよすぎないか日産

セドリック・グロリアなどとともに姿を消したブルーバード

 クルマに与えられた車名は、その車両を識別するものというだけでなく、歴史やイメージといったものも背負っており、車名が持つ意味は非常に重要なものとなっている。

 そのため各メーカーとも歴史が長く固定ファンの多い車名は大切に扱うことが多いのだが、日産は1999年10月に発表された日産リバイバルプランの影響で、日本市場で長い歴史を誇っていたサニーやセドリック/グロリアといった名前が失われてしまった。

 そしてそのときはなんとか踏みとどまったブルーバードも、2000年にブルーバードシルフィとサブネームが付き、2012年に登場した3代目モデル時にはあっさりブルーバードの名前を捨て、単にシルフィとなってしまったのだ。

■カローラのイメージ激変戦略が見事すぎ!! 再びスターだよ今や

いまやホットハッチモデルGRカローラまでラインアップしているのだからブルーバードもいればなぁ……

 ブルーバードのライバルとしてはトヨタのコロナが挙げられる。ただコロナはプレミオへと改名した後に2021年に終売となってしまっているが、その後を継いだのがCセグメントクラスにクラスアップしたカローラだ。

 カローラは言うまでもなくトヨタを代表する車種のひとつであり、日本のみならず海外でも高い知名度を誇るモデル。ただ日本国内ではヴィッツなどのコンパクトカーの台頭や、セダンやステーションワゴンの人気が低下したことで、営業車や年輩ユーザー御用達というイメージとなってしまった時期もあった。

 しかしトヨタはカローラの名前を捨てることなく、2018年に登場した現行型はアグレッシブなデザインをまとった若々しいモデルとなり、ハッチバックモデルのスポーツやステーションワゴンのツーリングなどは比較的若いユーザーにも受け入れられるまでに人気を回復している。

 またカローラシリーズとしては初のクロスオーバーSUVとなるカローラクロスや、ハイパフォーマンスモデルのGRカローラなど、時代に即したモデルを追加するなどたゆまぬ努力でそのブランド力を維持しているのだ。

■スポーティ仕様もあったのに最終的に超絶保守的に…しかも廃盤に

SSSなどスポーティ仕様もあったものの最終的に超保守的になってしまったブルーバード

 一方のブルーバードは、過去には今でも旧車として大人気の510型の2ドアクーペや、サメブル時代の2ドアハードトップ、ステーションワゴンとボディバリエーションも豊富であった。

 前輪駆動ベースとなった8代目モデルではアテーサを搭載し、高出力なターボエンジンと組み合わせたラリーベース車のSSS-Rをラインナップするなど、こちらもスポーティな印象のあるモデルとなっていた。

 しかしブルーバードは代を重ねるごとにスポーティなイメージは薄れ、ブルーバードシルフィ時代にはすっかりオジサンセダンというポジションになってしまい、セダン不人気の時代の流れとともに消滅する運命となってしまったのだ。

 そう考えるとブルーバードの名前が消滅するのも止む無しといったところで、日産は伝統ある名前を残す努力をもう少ししてもらいたかったというのがファンのホンネではないだろうか。

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