「マツダ ロードスターはいろいろな意味で世界一の存在となった」と豪語するご存知清水草一氏。たしかに、2023年10月の改良を経て、誰もが舌を巻くほどの進化を遂げている。では、2015年に登場した現行型ロードスターの中で「最高のグレード」はどれなのか!?

※本稿は2024年3月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部、MAZDA
初出:『ベストカー』2024年4月26日号

■初期の「S」は金のわらじを履いて探せ!?

初期型の「S(6MT)」の中古車は超狙い目。サスは超ソフト、エンジンサウンドも清楚で控え目なので、枯れた中高年にはかえって刺さる可能性大

 マツダ ロードスターは、間違いなく世界一のスポーツカーである。では、どのグレードを選ぶのがベストか。世界チャンピオンのグレードはどれなのか!?

 ロードスター唯一の弱点はエンジンフィールだが、現行ND型が登場してから2018年のマイナーチェンジ(MC)までの131ps仕様は、現在よりもサウンドやフィーリングが清楚だった。美少女が恥じらいつつコロコロと歌うような風情で、私はそれを深く愛していた。

 ただ、「あまりにも清楚すぎて男汁が出ない」という面もあり、現在のような声変わりした中学生のような野太いサウンドに変更された。

 どっちがいいかは好みだが、中高年となった今は、清楚系に惹かれる。つまり初期型の中古は狙い目だ。なかでも素の「S(6MTのみ)」は、スタビがついていないので最もロールが深く、最も低速で楽しめる。

 「S」は数パーセントしか売れてないのでかなりレアだが、初期型の「S」は、金のわらじを履いて探す価値がある!

■990Sは究極のロードスターか!?

2021年12月のマイナーチェンジで登場したマツダ ロードスター「990S」。グレード名が表わすように、車重1トンを切る軽量化を実現

 2018年のMCから2023年のMCまでのモデルでは、文句なく990Sがベストだ。スタビのない「S」をベースに990kgまで軽量化。軽量アルミホイールやブレンボ製ブレーキの採用によってバネ下が軽いので、宙に浮いているように軽やかに走る。

 サスが超ソフトゆえ、ちょっとした操作ミスで姿勢が崩れ、スムーズに走らせるには逆に高いスキルが求められる。そんなところもカーマニアの心に刺さりまくりだ。

■「SレザーパッケージVセレクション」これが新たな究極だ!

現在のSレザーパッケージVセレクション(6MT)は、エレガントな内外装と豪華装備が付いて、990Sのような究極の走りが堪能できる。こいつが現時点の究極!

 しかし2023年の改良により、充実装備&スタビ&LSD付きモデル(Sスペシャルパッケージ6MT以上)が、「安定した990S」みたいな走りに進化した!

 しかもSレザーパッケージVセレクションのレザー内装&ベージュのソフトトップは、とってもエレガント。「もうアストンマーティンはいらん!」というくらいステキだ。幌がベージュだとボディカラーが黒でも似合うので、黒の注文が激増しているというが、現在の究極のグレードはこれだ!

 と言ってもロードスターは、どのグレードもスバラシイ。サーキットを走るならRSやNR-Aだし、デザインと雰囲気だけでも充分楽しめるから、ATだってぜんぜんイイ。ATならACCで停止までやってくれるようになったので、渋滞もとてもラクチンになった。結局どのグレードでもオッケーなんだよね!

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。