当時からインパクト絶大だったボンゴフレンディ。だってマツダ純正でポップアップルーフを装着しちゃったのだからお見事。かなり売れたものの他社も追従するかに思えたがホンダ程度であった。その後はメーカー自らが手掛けたモノはほとんどなく……アウトドアブームの今こそバカ売れしそうなのに、なんで次がないのか!?!?!?!?
文：小鮒康一／写真：ベストカーWeb編集部
■90年代は純正ポップアップ多数存在!! でもアフターなら今も意外とあるゾ!!
集中と選択をキーワードにミニバンから撤退して久しいマツダ。しかしマツダのミニバンには名車が多く、中でも1995年に登場したボンゴフレンディには、「オートフリートップ」と名付けられた装備が与えられていた（兄弟車のフォード フリーダにも設定）。
このオートフリートップとは、いわゆるポップアップ式のルーフテントを備えたもので、メーカー純正のラインナップに設定されるのは珍しく、現在でもそれに次ぐ純正モデルは存在していないのだ。
オートフリートップのようなポップアップ式ルーフテントは、現在も純正モデルでないものであれば、アフターのキャンピングカーなどを手掛けている架装メーカーで装着することができ、現行型のミニバンやワンボックスカーを中心に実は幅広いラインナップを誇っている。つまり、決して需要がないワケではないのだが、なぜメーカー純正のモデルはリリースされないのだろうか？
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■メーカー純正はリスクが多すぎ!? キーワードは[特装車]
実は過去にもポップアップ式ルーフテントを備えたモデルは初代のステップワゴンやオデッセイに「フィールドデッキ」というモデルが存在しており、これらはホンダディーラーで新車で購入することができた。
ただ、このフィールドデッキはホンダの関連会社であるホンダ特装が手掛けたという扱いであり、あくまで「架装車」というもので、あくまで通常の新車をベースに改造したものという扱いとなっている点が小さいようで大きな違いとなっていたのだ。
というのも通常のカタログモデルとしてラインナップすると、そのモデルは他のグレードの車両と同等の性能や耐久性を担保しなければならない。例えオートフリートップのように、屋根の部分を大きく切り開いてテントを装着するという特殊なモデルであっても同様で、新車保証もしっかり付帯しなければならない。
一方、特装車の多くは車両に対する保証に対し、特装部分の保証は別途期間が設けられているケースも珍しくなく、悪く言えば改造部分は大目に見てね！ 的なものとなっているのだ。
もちろん特装車であってもメーカーの冠を背負ってリリースしているため、クオリティは当然ながら担保されているし、現在後からポップアップ式ルーフテントの装着を行っている業者も高いクオリティで作業をしていることは間違いない。
メーカー純正のモデルとしてリリースするには、想定外のトラブルも発生しないように何重もの対策を事前に行う必要があり、コストが割に合わなくなったというのが正直なところで、現在は純正モデルとして存在しないと推測されるのである。
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