2024年5月、道路交通法の改正案が国会で成立した。改正案は、おもに自転車に対するものとなっており、信号無視、一時不停止、右側通行など113の違反が、いわゆる青切符の対象となる。自転車運転者に求められる心構えとは!?

※本稿は2024年6月のものです
文:齊藤優太/写真:齊藤優太、ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=moonrise@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2024年7月10日号

■自転車の交通違反は減っていくのか!?

自転車は原則二段階右折が必要。写真のような、原付二種以上と同様の「小回り右折」は違反だ(J_News_photo@AdobeStock)

 2024年3月5日、警察庁は道路交通法の一部を改正する法律案を国会に提出。同年5月17日に国会で改正案が成立した。今回成立した道路交通法改正案は、主に自転車に関する法改正となっている。

 改正案を提出した理由について警察庁は、

 「最近における道路交通をめぐる情勢等に鑑み、自転車等の交通事故の防止等のため、自転車の運転中における携帯電話使用等の禁止、自転車等の運転者による一定の違反行為の反則行為への追加等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である」と公表している。

 改正案では、16歳以上の自転車等の運転者(つまり学生も対象となる)が一定の違反行為をした場合、交通反則通告制度(青切符)の対象となるとのことだ。

 たとえば、携帯電話(スマートフォン)の保持・使用、画面の注視、信号無視、一時不停止、右側通行など、113の違反が自転車の青切符の対象となる。

 なお、飲酒運転や酒酔い運転など、特に悪質な違反は制度(青切符)の対象外で、これらの悪質な違反や運転は従来どおり赤切符(刑事罰)だ。

 取り締まりの強化や青切符制度の導入などからも、運転者は自転車が車両であるという自覚をもち、交通ルールやマナーを自ら学び、学んだことを運転に活かすことが重要だといえるだろう。

 また、改正道路交通法が施行されれば、「知っていたけど……」では済まされなくなる。事故を起こして人や物をキズつけてしまう前に、自ら襟を正すことが自転車の運転者に求められている。

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