2024年5月末、トヨタ、マツダ、スバルの三社が、カーボンニュートラル実現へ向けて「マルチパスウェイワークショップ」を開催した。各社が「内燃機関によるカーボンニュートラルへの取り組み」を披露するなか、マツダはもちろん伝家の宝刀「ロータリーエンジン」で電動化時代に挑戦する!!

※本稿は2024年6月のものです
文/ベストカー編集部 写真/マツダ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年7月10日号

■ロータリーは電動化と相性バツグン!

アイコニックSPの異常に低いボンネットフードも、今回発表された2ローターなら可能だ。このスタイルに現実味が出てきた

 マツダはそれぞれのアイデンティティを電動化時代にも残すために、何ができるか?というエンジン開発となる。

 マツダの場合、それはロータリーエンジンとなる。MX-30のロータリーEVがひとつの回答になるが、スポーティか?ロータリーらしいか?と言われれば答えに窮してしまうところもある。

 ロータリーエンジンの強みはバルブ機構がなく、部品のレイアウトの自由度が高いため、コンパクトなユニットが作れること。さらに「雑食性」といわれるようにバイオ燃料や合成燃料(e-fuel)にも対応が容易で、水素も燃やすことができる。

 この点を生かしてコンパクトな発電用のシングルローターと新たな電気駆動ユニットを組み合わせた横置きユニットは、MX-30のロータリーEVよりもコンパクトとなり、コンパクトカーからSUVまで幅広いゾーンをカバーしそうだ。

 もう一つは発電用の2ローターを縦置きにしたもので、大きな電力量によるパワーアップはもちろん、排気量アップによるエミッションと振動の改善も見込んでいる。見据えた先はアイコニックSPなのかもしれない。

 いずれにせよロータリーの一番大きな課題はエミッション対策。マツダも「エミッション適合性の開発を急ぎます」としており、ここ1年くらいでめどがつくのかに注目だ。

●マツダのポイント
・小型化した横置きシングルローター
・発電量を増やした縦置き2ローター
・シンプルな部品構成による小型化
・カーボンニュートラル燃料との相性のよさ

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