部屋干しの洗濯物は乾きにくいし、濡れてしまった服のまま乗ったクルマのシートもなんだか生乾き臭が漂っている……。そこに自分のオヤジ臭が重なって愛車の車内環境がヤバイことに!
文:山口卓也/写真:写真AC
■車内の悪臭の原因と対策
「車内がクサい!」といってもその原因はさまざま。まずは臭いがどこから漂うのかを探り、原因とその対策を知っておきたい。
■エアコンをつけるとにおう
車内に入った時はそれほどでもなくても、エアコンをつけると悪臭が漂い始めることがある。この主な原因はカビ。エアコン使用後の結露によって発生した水分に、ホコリや汚れ、ダニなどの死骸が付着することでエアコン内部にカビが発生し、スイッチを入れることでそのにおいが漂うことが多い。
自身のオヤジ臭とのコンビネーションでカビっぽいにおいだったり、酸っぱいにおいだったり、とさまざま。
対策法としてはまず、エアコン内部の湿気を取り除くことが重要。特に梅雨時は湿気によって水分が発生しやすいので、スタート前に窓を全開にし、エアコンを最高温度&最大風量にして10分ほど暖房を稼働させる。
クルマ通勤で「朝の忙しい時に10分なんて無理」というなら、毎日少なくとも2~3分、この作業を行うだけでも生乾き臭の発生を防げる。
また、健康にもよくないため、湿気を帯びたエアコンフィルターに発生したカビ・ホコリを通過した風を運転中に受けることは避けたいので、エアコンフィルターも交換(1年に一度は交換したい)。
国産車の多くはグローブボックス奥にエアコンフィルターがあり、価格は2000円程度。交換作業自体はDIY初心者でも可能なほど。
さらに「クサいうえに風量もいまいち……」という場合は、エバポレーター(熱交換器)が水分+ホコリ・ゴミなどで詰まり気味になっている可能性大。
完全にきれいにするには取り外して洗浄するなどが必要だが、DIYレベルでは困難。効果大のプロショップにお願いするか、洗浄効果は少し落ちるが簡易的にDIYレベルでできるスプレー式ケミカル剤などで洗浄する。
■車内に入った途端ににおうタバコ臭
タバコのにおいは非喫煙者なら敏感に感じられるもの。タバコのにおいの原因物質は、シートやフロアマット、天井、ウィンドウ、ダッシュボードなどあらゆる場所に付着する。
対策法はシートやフロアマット、天井などは汚れを掃除機やブラシなどでかき出してから、バケツ1杯の水に対して大さじ2杯の重曹を加え、ウエスを湿らせて固く絞って拭いていく。
スプレータイプの重曹水を使うのもOKだが、拭き上げはしっかりと。その後、シートや天井はドアを開けてしっかり天日干しを行い、フロアマットはできるだけ取り外して車外でしっかり天日干しすると多くのにおいは取れるはず。
ただし、重曹水を革シートに使用するとシミになるので革シートには絶対に使わないこと。
カーペットの汚れなどをきれいにする“リンサークリーナー”も効果が高い。
水分を吹きつけ、吹きつけた部分の水分を吸い取る「スプレー+掃除機」のようなクリーナーで、稼働させると掃除機程度の音量のため住宅地での使用は気が引けるが、効果は高いのでこちらもお薦め。吸い取った汚水の汚れ具合に驚くはず!
また、車内でタバコを吸う際は運転席側窓+対角線上の窓を3〜5cmほど開け、エアコン使用時は外気導入モードを使うクセをつけると車内への臭い付着を若干抑えることができる。
そして、吸い殻からもにおいは発生するので、車内に放置することはできるだけ避けること。
■自分の衣服か? クルマか? 生乾き臭
「タバコのにおいではないけど、車内に入ると生乾き臭が……」という人は、シートやフロアマット、天井が湿っている可能性大。
対策法はこのうち、天井から臭っている場合は雨漏りの可能性も充分あるので、まずは雨漏りを修理することが先決。
シートからにおう場合は、「雨天時に濡れた衣服のままシートに座った」「汗びっしょりの衣服のまま座った」などが考えられる。
フロアマットは雨天時には驚くほどびしょ濡れになる。また、洗車時に洗った時にしっかり乾かさずに車内に戻しても生乾き臭の元となるので、再度洗ってからしっかりと天日干しするか、ガソリンスタンドなどにあるフロアマット専用洗浄・乾燥機を使うことをお薦めする。
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■意外と気づかない悪臭の原因
「エアコン、車内各部のにおい対策は行ったのにまだにおう」という場合は以下もチェック。
■前部座席のシートポケット&後部座席フロアマット、スライドドアのドアポケット
子どものいる家庭では、子どもは後部座席にいることが多い。
運転席や助手席にいる大人が気づかない間にお菓子の食べ残しを放置、食べかすやジュースをこぼしてシートやフロアマットを汚していたりするもの。そしてフロントシートのシートポケット内もチェック!
また、スライドドアも盲点。後部座席をチェックする時に車外からスライドドアを開けてチェックすると、スライドドアのドアポケットに何かがあっても気づけないもの。スライドドア装備車は各部チェックを車内から行うことをお薦めする。
■動物などの死骸、おしっこ
あまりないことだが、前述の対策を行っても「まだなにか腐敗臭のような……」と感じる場合は、道路上の動物の死骸を知らず知らずのうちに轢いてしまい、クルマのどこかに付着して腐敗臭を出している場合がある。
また、エンジンルーム内に小動物の死骸があり、そこから腐敗臭が漂っている場合も。
エンジンを止めた後はボンネット内が暖かいので小動物などが入り込んだり、猫のおしっこがボンネット内パーツにかかっていて「エアコンを外気導入にするとなぜかにおう」なんてことだってある。
ひととおりにおい対策をしても、まだクサいにおいが取れない場合は、これらを疑ってみてほしい。
■消臭剤や芳香剤は、残念ながら多くの場合“気休め”
カーショップに行くと、数多くの消臭剤や芳香剤が売られている。車内に置いたり噴霧したりしても、使用直後から少しの間は効果を発揮するがその多くは効果が持続しない。
ずいぶん昔のテレビCMにもあったように、「クサいにおいは元から絶たなきゃダメ!」なのである。 また、クサいにおいの上から芳香剤を使うとワンランク上の悪臭となる場合もあるので、芳香剤を使うならやはり“クサいにおいを元から絶った後”にするのがお薦め。
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