絶賛公開中の新作映画「帰ってきた あぶない刑事」!興行収入が10億円を超え、令和でも「あぶ刑事」は変わらず大人気です!前回のインタビューに続いて、ダンディー鷹山こと鷹山敏樹役を演じる舘ひろしさんと、セクシー大下こと大下勇次を演じる柴田恭兵さんのお二人に貴重な「あぶ刑事」エピソードを伺いました。

文・インタビュー:山本孟毅 撮影:山口宏之、写真提供:(C)2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会
ヘアメイク:岩淵賀世(舘ひろし担当)、澤田久美子(柴田恭兵担当)、スタイリスト:中村抽里(舘ひろし担当)、古舘謙介(柴田恭兵担当)

※ベストカー6月26日号からの転載です。

エンディングの名曲「冷たい太陽」は舘さんの勘違いで生まれた!?

-「あぶない刑事」といえばお二人の曲をはじめ、劇中歌には素敵な曲が多いです

柴田さん(以下、敬称略):舘さんの曲は素敵だと思います。見終わった後に幸せ感があって、好きですね。あと、今回の新作の挿入歌も良かったと思いますよ。

舘さん(以下、敬称略):実は最初「あぶない刑事」の企画をいただいたときに、タイトルがかっこ悪いと思っていたんです。企画の趣旨を知らずに「『危険な刑事』とかがいいんじゃないって?」言ってたんです。

(エンディング曲の「冷たい太陽」について)「太陽がいっぱい」のようなフランス映画っぽい、マイナーなバラードが合うなあ、思って書いたんですけど。作品の内容が分かっていたら違った曲になっていたかもしれない(笑)

-そうだったんですか!

舘:その後、「軽い感じのドラマなんだ」と聞いてから、オープニング曲を作ったんですね。(アメリカ映画の)「ビバリーヒルズ・コップ」のような曲にしようと思って。エンディングについては先に作っていたんです。

エンディングが舘さんの曲なのに対して、柴田さんは劇中歌を担当。特におなじみ「ランニング・ショット」は様々なバージョンが作られ、ドラマ、映画を通して流れる人気曲です。「帰ってきた」でも「ランニング・ショット」に乗せて走るキレキレのユージが見られます。柴田さんの手の振り方や華麗なステップがカッコいい走り方(通称「恭兵走り」)、急いでいる時はついつい真似したくなってしまいます
「もっともあぶない刑事」1989年 (C)東映・日本テレビ・セントラル・アーツ・キティ・フィルム

変わらないカッコよさ…秘訣は?野球?DNA?腹筋??

-1986年のドラマスタートから体形が全く変わらないイメージですが、トレーニング以外でも節制されていますか?もし秘訣があれば教えてください

舘:(少し考えて)あまり健康に良いことをしないことかな?あと、僕は父もおじいさんも弟もみんな同じ体型で。弟はビールを良く飲んでいるんだけど、僕のスーツをあげてもそのまま着れちゃうんですよね。DNAかな。

-柴田さんは普段、野球をされていると伺ったんですけど、やっぱそういう機会でトレーニングに充てていらっしゃるんですか?(※5/25には横浜スタジアムで行われたセレモニアルピッチのイベントで見事な投球を披露しました!)

柴田:それがね、コロナで2年位野球ができなかったんです。あとはいつも撮影が入るとケガが怖いのでやってないんですよ。先日、久し振りに開幕戦に行って、守備について2回ほどセカンドゴロさばいて。でも、あんまり無理すると一年、棒に振るな、ゴルフに影響するなと思ってベンチに下がりました(笑)。

-舘さんはトレーニング、いかがですか?

舘:(とても凛々しい表情で)してます。腹筋を。朝、起きる時に半分、眠るときに半分。合わせて一日一回(笑)。

柴田:(笑)

-あと、あぶない刑事といえば、タカとユージが持つハンドガン等もファンの皆さんは注目されているかと思います

柴田:僕はこだわり全然無くて、何丁か持って来ていただいて、手になじむもの、撃ちやすいものを選んでいる感じですね。とにかくいっぱい撃つぞ、と(笑)。

舘:僕はコルト・ガバメントが好きですね。最近はグロックやワルサーといったものが多くなってきているけど。

-舘さんは以前、S&Wのリボルバー(M586、4インチ)でしたが、「リターンズ」以降はガバメントを使用されていますね。ドラマでもおなじみだった、ヒップホルスターに隠していたS&W M49ボディーガードについてもこだわり等はいかがでしょうか

映画六作目より。使用する銃もですが、カッコいい狙撃フォームも気になってしまう人も多いはず。よく劇中で見られたのがユージのカップ&ソーサースタイルに対して、タカは左手を胸に添え右手で銃を構えるスタイル。2人ともどうしてこんなにカッコいいのでしょう…(感嘆)
「まだまだあぶない刑事」2005年 (C)2005「まだまだあぶない刑事」製作委員会

舘:形というか重さというか、やっぱりガバメントがいいですね。影響を受けたのは「ゲッタウェイ」のスティーブ・マックイーンですね。(ヒップホルスターのボディーガードについて)昔の刑事ドラマ「タイトロープ」の主人公(マイク・コナーズ)が後ろのホルスターから銃を出すのが、凄くカッコいいと思っていたんです。2丁拳銃の刑事がいてもいいんじゃない?と。

土台の舘さん、アイデアの柴田さん…2人の魅力が「あぶ刑事」をつくった!

-38年愛されて続く「あぶない刑事」シリーズの魅力について、お二人はどういう所にあるとお考えですか?

舘:この作品の魅力は「柴田恭兵」です。この作品にとって僕は土台なんです。支えるのが僕で、魅力を付けるのは柴田恭兵なんです。テレビシリーズ第一回目の作品を見て、本当にそう思いました。

やっぱりちょっと悔しかったけど、今までにない刑事ドラマなんだなって。それまでの刑事ドラマって悲壮感があって。そういったものとは全く違って、軽さ、明るさを体現したのが「あぶない刑事」の、恭サマの魅力ですね。

舘さんも絶賛する柴田さんのアイディアやアドリブが随所に見られた「あぶ刑事」。実は舘さん発案の名シーンがこちら!映画一作目「あぶない刑事」では手錠に繋がれたタカとユージ(薔薇をくわえながら)が息ピッタリのタンゴを披露!!コミカルでありつつカッコいい実に「あぶ刑事」らしい1シーンです
劇場版「あぶない刑事」1987年 (C)東映・日本テレビ

柴田:お恥ずかしい(笑)。舘さんと刑事ものをやりましょうってなった時、舘さんも凄くカッコよかったし、どんなものができるんだろうって。でも、二人ともカッコいい、カッコつけてるだけじゃすぐに飽きられると思ったんです。何が大事かというと、二人のニュアンスというか距離感。

例えば、台本にはコイントスをして、僕が負けるシーンがあるんですけど、この時「もう一回!もう一回やらしてよ」って(「ダメ」っていう舘さんを)つつくんです。このニュアンスが大事で、そういう関係性を撮ってほしかった。

舘:(うなずく)

柴田:ちょっとふざけてるんだけど、伝わることがあるんじゃないかなって。二人の距離感だったり、お互いのことを「絶対、守るぞ!」っていう信頼感だったり。

そういった空気感をこの二人だけでなくて、みんなが面白がってくれて、世代が近かった事もあって面白がってくれて「やろうよ、やろうよ」って。でも、(コンビを組む)舘さんが一緒にいたからできることで。まさか、こんなにも長くやらせていただけるとは思ってなかったです。

舘:恭サマのアイデアが本当にいっぱいあって。第一話目(ドラマ「あぶない刑事」第一話「暴発」)の犯人に恭サマが胸倉をつかまれるシーンがあって、犯人のその腕に手錠を掛けるんだけど、それが凄いスタイリッシュだった。そういういろんな色付けが、「あぶない刑事」を本当に面白くしていったと思う。

柴田:舘さんはね、犯人だと思うとすぐ拳銃で撃っちゃう(笑)。

舘:台本を読んでないからね(笑)。僕は読むのが面倒くさくなっちゃって。遊ぶのが忙しくて。でも、恭サマは「ここでこうしたら面白いんじゃないか」とか、ずーっと台本を読んで色々と考えてくれて。

柴田:舘さんは女の子とデートがあるから(笑)。でも、本当に楽しかった。役者だけでなくて監督さん、衣装さん、照明さんスタッフみんなで作り上げてきて。プロデューサーさん(黒澤満さん)、カメラマンさん(仙元誠三さん)も亡くなられてしまいましたが、そういった人達の思いを全部詰め込んで、今回の新作は素敵なものができたと思っています。

-ありがとうございます!みんなが待っていた8年ぶりの「あぶない刑事」、タカとユージの活躍をスクリーンで拝見するのが楽しみです!

「さらば」から8年、無敵の二人とレパードも帰ってきた!

 1986年のドラマスタートから愛され続ける「あぶない刑事」シリーズ。これまでにテレビシリーズ2作、テレビスペシャル1作、映画7作が展開されました。

 2016年公開の前作「さらばあぶない刑事」で一旦は、完結(無事に定年退職→ニュージーランドで探偵事務所の開業)となりましたが、ニュージーランドでは警官と問題を起こしたことから再び横浜に舞い戻ることに。

最新作からユージとレパードの1カット!「さらば」ではユージの乗ったレパードがタイヤを鳴らして横浜を駆け抜けました。とても短いシーンでしたが、往年のファンとしてはこれだけでも劇場へ足運んだ甲斐があったと思わされました。それくらいレパードの存在感は大きいのです!
(C)2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

 あぶ刑事といえばタカ&ユージの相棒といっても良い存在の覆面車・日産レパード(F31)ですが、新作でも「さらば」続き、ゴールドツートン(前期型)の車両が登場します。前作では「レパードまで用意して…(車名を言及したのは同作が初)よく言うぜ」「昔の恋人に出会った気分だぜ」という泣かせるセリフを聞かせてくれたユージ。今回はレパードとどのような見せ場があるのか?期待大です。

プロフィール

柴田恭兵(しばた・きょうへい)
1951年8月18日生まれ、静岡県出身。舞台「十月は黄昏の国」でデビュー。1977年にドラマ「大都会PARTⅡ」でドラマ初出演。1986年「あぶない刑事」の大下勇次(ユージ)役以外にも「はみだし刑事」シリーズの高見兵吾役、NHK大河ドラマ「武田信玄」の上杉謙信役、NHKドラマ「舟を編む ~私、辞書つくります~」では辞書の監修者・松本朋佑役を演じるなど多数の出演作で幅広い役を務める。

舘ひろし(たち・ひろし)
1950年3月31日生まれ、愛知県名古屋市出身。ロックバンド「クールス」のボーカルとしてデビュー後、1976年に映画「暴力教室」で俳優としてデビュー。「西部警察」、「あぶない刑事」、「新宿鮫」シリーズに出演。ドラマ「パパとムスメの7日間」では娘と人格が入れ替わる川原恭一郎役、2024年1月に公開の映画「ゴールデンカムイ」では土方歳三役を熱演した。

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