ベストセラー軽自動車といえば、長くN-BOXの代名詞だったが、5月の販売ランキングで異変が起きた。N-BOXが王座から脱落し、その座にスズキ・スペーシアが収まったのだ。軽自動車ランキングに異変が起きているのか?

文と写真/ベストカーWeb編集部

■シンプルさのN-BOXに対し、派手さを残したスペーシア

5月の新車販売ランキングで首位に立ったスズキ・スペーシア(カスタム)

 気配りの効いた使い勝手やエクステリア、走りの良さで、長く軽自動車の王者に君臨してきたホンダN-BOX。実際その売れっぷりは圧倒的で、軽4輪の新車販売としては9年連続、年度の新車販売台数でも3年連続で首位を獲得してきた。2023年度の販売台数は21万8478台に上る。

 そんなN-BOXが、2024年5月の販売ランキングで首位から転落した。販売台数は1万4582台。その数字をおよそ600台上回り、スズキのスペーシアが1万5160台で1位の座を奪ったのだ。

 もともと両車はガチのライバル関係にあり、N-BOXは2023年10月、スペーシアはそれを追うように翌11月に、3代目へとフルモデルチェンジを果たした。

 どちらのフルチェンジも先代モデルのイメージを継承する方向だったが、N-BOXがシンプル&クリーンなイメージに進化したのに対し、スペーシアが一定の「派手さ」を残してきたことは相違点だといいえる。

 さらにN-BOXが164万円台からの値付けだったのに対し、スペーシアが153万円台からのグレードを用意したこと、スペーシアがスズキ車としては初めて、後席にオットマン機能を追加したことなども、ユーザーの心理に響いたように思える。

 とはいえ両車の差はたった600台弱だから、今後のN-BOXの再逆転は大いにあり得る。4月に生産を再開したダイハツ・タントの急成長も注目だ。ボーナス商戦を控えて、軽自動車の販売競争は熱い戦いとなりそうだ。

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