石橋を叩くトヨタだが、いいと認めれば高い技術力を持つだけに採用は速い! トヨタが認め、追随した技術を挙げた。(本稿は「ベストカー」2013年1月10日号に掲載した記事の再録版となります)

TEXT/編集部

■ターボエンジン

S11クラウン

●1979年セドリック/グロリアが国産初採用。1980年S11クラウンで搭載

 1979年国産車として初めて日産グロリア/セドリックにターボエンジンが搭載された。

 当初トヨタはDOHCエンジンの方が性能で勝るとしていたが、1980年スカイラインにターボが搭載され大ヒットするとにわかに慌てたか、6代目クラウンS11の直6、2LのM型エンジンにターボを搭載。145psとスペックも並んだ。

 翌1981年にはソアラにも追加し、スープラなどにも広げていった。

■4WS

ST180セリカ

●1987年プレリュードが世界で初採用し、1990年ST180セリカ、コロナEXIV、カリーナEDに搭載

 どちらもスペシャルティカーであり、対抗意識は相当なものだった。

 3代目のプレリュードといえば当時最強のデートカー。対するセリカは5代目にあたり、世界初となるデュアルモード4WSを装着。ノーマルモードで40km/h、スポーツモードで60km/hまで逆位相で後輪が転蛇し、それ以上で同位相に転蛇するというもの。

 最初乗った時はビックリしたが、4WS自体が廃れてしまった。ただし、5代目ST180セリカGT-Rは大ヒット。

■4WDターボ

ST165セリカGT-FOUR

●1985年ファミリアGT-Xに続き1986年セリカGT-FOURに搭載

 ファミリアが初めて搭載した4WDターボ(排気量は1.6L)だが、トヨタは翌年2L 4WDターボを搭載したセリカGT-FOUR(ST165)を生み出した。

 手動でデフロックができるベベルギア式センターデフを持ち、当時の2Lで最強の185psを発生。映画『私をスキーに連れてって』の激走シーンはみんなの憧れだった。

 なおWRCでの初勝利は1989年オーストラリアでカンクネンがドライブ。翌1990年はサインツがドライバーズタイトルを獲得した。

■シーケンシャルターボ

A70スープラ

●1990年4月ユーノスコスモのあと1990年8月マークII、クレスタ、チェイサー&スープラに搭載

 当時は280馬力規制があり、それ以上は出せずターボラグをなくし、加速性能アップのためにシーケンシャルターボが搭載された。

 ユーノスコスモは3ローターの20B(280ps/41.0kgm)だったが、マークII3兄弟とスープラに搭載されたのは1JZGTE直6、2.5Lのツインターボで280ps/37.0kgmを発生した。

 このシーケンシャルターボは軽量なセラミックタービンでアクセルレスポンスがよくターボラグも小さいと評判になった。なおエンジン製作はヤマハが行なっていた。

■直噴エンジン

D4エンジン

●1996年8月ギャラン/レグナムに続き、1996年12月コロナに搭載

 GDIに遅れて発売となったコロナD4はデビュー40周年記念特別仕様車として誕生した。

 ギャラン/レグナムの直噴エンジン(GDI)4G93は1.8L 150ps/18.2kgmで10.15モードが16.2km/Lだったのに対し、コロナのD4は2Lの3S-FSEと呼ばれ145ps/20.0kgmを発生し、10.15モード燃費が17.4km/L。

 性能では上回ったが、遅れたぶん、直噴エンジンイコール「GDI」と呼ばれるほど、三菱の代名詞になってしまった。

■電動メタルトップ

4代目ソアラ

●1997年メルセデスベンツSLKの日本発売に続き2001年ソアラで搭載

 ソアラには1989年登場の2代目にエアロキャビンという電動格納式メタルトップを持つモデルがあったが、完全なオープンを楽しめるようになったのは2001年の4代目ソアラから。

 当然トップはアルミでトランクに収納され、オープンとクーペの両方を楽しめるラグジュアリーさはセルシオと同じV8エンジン搭載もあって従来のソアラ以上に華やかさをアピール。SLKをよく研究したのだと思う。

■トップビュー式パーキングアシスト

パノラミックビューモニター

●2007年エルグランドが採用、2011年アルファード/ヴェルファイアがパノラミックビューモニター採用

 2007年マイナーチェンジを受けた日産エルグランドがアラウンドビューモニターを死角の多いミニバンのパーキングアシスト装置として装着。

 トヨタが同様の装備を開発したのは、4年後のアルファード/ヴェルファイアから。

 前後左右4つのカメラで映像を取り込み、上から見下ろす感覚(トップビュー)でナビ画面に映像を映し出すことは同じ。マネしたくなかったろうけれど、きっとディーラーからの要望が強かったのだ。

(内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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